おおき・たけし
1996年昭和大学医学部卒業。同年昭和大学藤が丘病院整形外科。2000年結城病院整形外科。2010年〜2011年 フランス リヨン Hopital Neurologique、アメリカ アトランタ Emory University Orthopaedics & Spine Hospital、フランス パリ Institut Mutualiste Montsouris を経て、現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医





腰痛や下肢のしびれだけではなく、時に排泄障害を起こすことでQOL(生活の質)に大きな影響を与える脊柱管狭窄症。従来は傷口も大きく、患者の身体的負担が大きい術式しか選択肢がなかったが、現在は低侵襲の術式を導入する病院も増加している。そこで顕微鏡手術により脊椎疾患に対する低侵襲手術を実現した結城病院整形外科部長の大木武医師に、同院の脊柱管狭窄症を含む脊椎疾患に対する治療の取り組みについてお話を伺った。
重厚な外観やインテリアで
患者やスタッフの居心地の良さを追求
傷口の小さい低侵襲にて顕微鏡手術を行う
 JR水戸線結城駅から車で5分、新幹線が停車する小山駅からも15分の場所にある結城病院は到着すると、広い敷地や手入れの行き届いたガーデン、そしてヨーロッパの歴史ある建物を彷彿とさせる重厚な建物がまず目に飛び込んでくる。さらに病院内に入ると、5つ星ホテルのような落ち着いた雰囲気の空間が広がっていることに驚かされる。大木準院長が年月経過しても古さを感じさせないようにとこだわりを持って2006年に設計、建築したもので、患者にとっては病院に来たという緊張感をほぐすと共に、スタッフにとって居心地の良い空間であることで、働きやすい環境や離職率の低下、求人にも効果を上げているという。
顕微鏡手術で
患者負担の少ない手術を実現
高級ホテルのような落ち着いた空間の待合室
 「茨城県の中でも、当院周辺は医療過疎地域の一つです。そのため患者さんの中心は地元の方で、以前治療を受けた患者さんや、そのご家族・周囲の人が来院されるケースが多いですね」と語るのは、同院で整形外科医として活躍している大木武部長だ。高齢化率も高い地域だけに、脊柱管狭窄症に代表される脊椎疾患の患者も多いという。
 そこで同院が脊柱管狭窄症だけではなく、全ての脊椎疾患の手術において導入しているのが顕微鏡手術だ。脊柱管狭窄症の外科的アプローチ法は、大きく分けて2通りある。椎弓と呼ばれる部分を削り脊柱管を広げて神経の圧迫を取り除く椎弓形成術・椎弓切除術と、神経を圧迫している部分を切除した後に移植骨や人工骨を挿入して固定する椎体間固定術だ。従来の術式の場合、切開部位が広く出血を伴うものであった。そこで登場したのが内視鏡や顕微鏡を用いた低侵襲の術式だ。
 「脊柱管狭窄症の顕微鏡手術の場合、一カ所1・5㎝ほどの切開ですみ、さらに止血処理をしながら手術をするので、術中の出血がほとんどありません。低侵襲手術で何より大切なのがこの部分で、出血がないことで術後の回復が早く、輸血による感染症などのリスクも回避することができます」と、大木医師はそのメリットを語る。
地域医療を提供する病院ならでは
患者ファーストの診療を実践
 結城病院では独立したリハビリテーション科を持ち、充実した設備の中、理学療法士・作業療法士による専門的なリハビリを行っている。そのため脊椎疾患の術後は翌日からリハビリを開始し、基本的には自立歩行が可能になってからの退院するシステムとなっている。
 「地方の場合、通院には車が必要で、ある程度自立した生活が送れる状態になってから退院させてほしいという希望も多い。地域医療は、そうした地域ごとに異なるニーズに応えることも大切だと考えています」と、大木医師は地域の実情に合わせた医療の提供の重要性を語る。
 「実は診察は、患者さんが診察室に入ってくるところから始まっています。入ってくる時の雰囲気、歩き方、表情を観察し、さらに診察の中で生活環境・仕事環境についても耳を傾ける。そうすることで主訴である腰痛の原因が、実は整形外科疾患以外から来ているのではないかと、考えるケースもあります。こうした患者さん一人ひとりの事情に合わせた総合的な医療の提供の継続、さらには後輩の育成や手術器具の開発など、将来にバトンをつなげるための努力を、今後も続けていきたいと思います」と、最後に大木医師は力強く語ってくれた。

 

※内容は2020年4月27日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 結城病院
フリガナ ユウキビョウイン
TEL 0296-33-4161
住所 茨城県結城市結城9629-1
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