のむら・りゅうたろう
2003年、日本医科大学卒業。10年、日本赤十字社医療センターにてサイバーナイフに従事、20年より現職。
茅ヶ崎駅より徒歩約5分にある茅ヶ崎中央病院。「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」を掲げ地域医療へ貢献してきた。より高度な医療提供を目指し神奈川県西部にてサイバーナイフ最新機を導入。この最新治療を行っている野村医師に話を伺った。
サイバーナイフは
がん患者にとってまさに「最後の砦」
高精度なサイバーナイフを完備した清潔な治療室
 2020年4月に、新病棟を新築した茅ヶ崎中央病院に開設された「サイバーナイフセンター」。開設当初よりセンター長としてチームを牽引し、脳腫瘍を中心としたがん患者の最後の砦として多くの実績をあげてきたのが野村竜太郎サイバーナイフセンター長だ。
 サイバーナイフは、コンピュータによる病変追尾システムを用い、腫瘍に対して多方向からピンポイントに放射線を照射することで、周囲の正常組織の被ばくを軽減しながら、外科的にメスで切り取った時と同等の効果を得ることができる高精度低侵襲の治療法だ。
 従来のガンマナイフでは治療可能な部位が脳に限られていたが、サイバーナイフは脳腫瘍だけではなく、脊椎脊髄疾患や体幹部腫瘍に対しても用いることができ、その適用範囲は拡大してきている。
 「私が脳神経外科医であることも大きいのですが、当センターではがんが脳に転移した症例を含め、脳腫瘍に対する治療が中心です。ただ、最近は肺がんや肝臓がん、そして手術が難しいとされる膵臓がんに対する治療も増えており、外科的手術に劣らない治療成績をあげています。体にメスを入れないサイバーナイフは患者さまの身体的負担が少なく、合併症のため手術できない方にも対応可能な点、周囲の正常組織をできる限り温存できる点など患者さまのメリットも大きく、保険適用範囲もどんどん広がりをみせています」と、野村センター長はその治療効果の高さを強調する。
サイバーナイフを
今よりもっと地元に根づかせたい
 長引くコロナの影響(2021年10月時点)もあり、地元での広報活動が思うようにできず、現在はまだ茅ヶ崎市外からの紹介が中心となっているが、今後はもっと地元に根づいていきたいと語る。
 「地元の病院からの紹介で、肺がんの脳転移で来院された70代後半の患者さまのケースですが、診断すると複数の転移性脳腫瘍があり、1つは5㎝ほどの大きさになっていました。そのためすでに左半分が認識できず、移動には車イスが必要な状態でしたが、サイバーナイフによる治療の結果、認知障害などの後遺症もなく、歩いて通院できるまでに回復されました。こうした治療を一例でも多く地元の方々に提供したいというのが今の目標です」
 そのためにはより多くの医療関係者に、サイバーナイフの存在を知ってもらう必要がある。
 「地元のかかりつけ医がサイバーナイフの存在を知らなければ、患者さまは当センターまでたどりつくことはできません。サイバーナイフで救える命が必ずあります。医療関係者、そして患者さま自身にもっとサイバーナイフの存在を知っていただきたいですね」と、やさしい笑顔で語ってくれた。

 
 
 

※内容は2022年1月31日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 茅ヶ崎中央病院 2020年新病棟を新築。より高度な医療提供を実現
TEL 0467-86-6530
住所 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎2-2-3
公式Webサイト(別ウインドウ)

 

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