はせがわ・たけひろ
1988年、獨協医科大学卒業。同年、虎の門病院外科研修医。96年、東京慈恵会医科大学整形外科を経て、埼玉成恵会病院。2016年より現職。
日本専門医機構認定整形外科専門医、
日本音楽療法学会認定音楽療法士
1969年に、整形外科の単科病院として開院した経緯を持つ「埼玉成恵会病院」比企地域医療圏における、急性期中核病院へと発展した今でもその高い専門性を活かし、高度な整形外科医療を提供している。今回は脊椎外科センター長でもある長谷川岳弘理事長・院長に、特に脊椎外科センターでの取り組みや今後の豊富についてお話を伺った。
MRIの使用による早期診断で
迅速に必要な医療を提供
埼玉手外科研究所(併設)
1997年に初代理事長:長谷川芳男と初代所長:故児島忠雄のアイデアで設立。
『地域に根差し、世界を見据え』をモットーに、様々な手外科疾患の診断・治療を行っている。
 東武東上線・森林公園駅から徒歩7分の場所にある埼玉成恵会病院は、開院当初整形外科の単科病院だった経緯があり、現在でも全170床のうち、整形外科で100床を占めている。その高い専門性を頼って地域住民だけではなく、口コミで九州地方や福島県といった遠隔地からも患者が来ているという。
 現在、患者の主訴としては腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、頚椎症性神経根症、脊椎圧迫骨折、脊柱管狭窄症などが多いという。
 「椎間板ヘルニアなどは、実は3ヶ月程度保存療法で様子をみると、8割の方は快方に向かいます。そのため当院ではまずは保存療法を優先します」同院の保存療法では、神経障害性疼痛治療薬であるプレガバリン、鎮痛効果のあるトラマドール・アセトアミノフェン配合錠、そして神経ブロック療法などにも対応している。
 「当院では、初診でMRIの撮影が可能です。そのため迅速に診断して適切な保存療法を開始できることで、圧迫骨折例では手術適応になるケースは、1年にわずか1〜2人です。保存療法無効例や麻痺、膀胱直腸障害を生じている場合や早期回復のため手術希望がある場合(社会的適応)には手術療法を行っています。また、必要に応じて緊急手術も対応しています」と、脊椎外科センター長でもある長谷川理事長・院長は語る。現在同院では、腰椎・頸椎椎間板ヘルニアの全例で顕微鏡手術にて対応している。
 「顕微鏡手術の場合、視野が十分確保されるため、より安全性は高い。ただ、将来的には内視鏡手術に関しても取り組んでいきたいと考えています」
2013年に充実のリハビリ専用施設を新設
 そして同院のもうひとつの特徴に、リハビリテーションの充実がある。リハビリ支援型ロボットや電磁波治療の反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)も導入している。
 「私の祖母が脳梗塞になった時に、リハビリを十分にしてあげられなかったという後悔が残りました。そこで2013年にリハビリ専用棟を新設しました。リハビリスタッフ、設備など充実した施設だと自負しています。そして私自身、音楽療法士の資格を取得し、積極的にリハビリにも関わっています」と長谷川院長。
丁寧な説明と共感する心で患者に寄り添う
 長谷川院長が患者に対応する時に一番気をつけているのが、丁寧な説明、そして辛い気持ちに共感する姿勢だという。
 「脊椎の場合、一つの疾患が原因となって手・足の疼痛、しびれ、麻痺、そして膀胱直腸障害など様々な症状が出ます。しかし患者さまは、それが一つの疾患が原因になっているとなかなか気づけません。そうした疾患と症状の関連を丁寧に説明し、患者さまだけではなくご家族も含めて治療方法を提案することを心がけています」
 整形外科疾患の治療は時間との戦いだけに、調子が悪いなと思ったら早期に受診してほしいと、長谷川院長は最後に笑顔で力強く呼びかけてくれた。

 
 
 
 
 

※内容は2022年1月31日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

(PR)
医療機関情報
施設名 埼玉成恵会病院
TEL 0493-23-1221
住所 埼玉県東松山市石橋1721
公式Webサイト(別ウインドウ)

 

受付時間
初診 8:10〜11:00
再診 8:10〜12:00
(予約のない方は11:00まで)
13:30〜16:00