つぼい・けいそう
1998年、大阪医科大学卒業。
高槻赤十字病院、茨木済生会病院、洛西シミズ病院などで、脊椎手術を学び、2009年、城山病院に赴任。19年より現職。
日本整形外科学会認定整形外科専門医
内視鏡を使った新しい脊椎手術として注目を集める「FESS」、関西で先駆けて導入したのが医療法人春秋会城山病院だ。従来法との違いなどについて、低侵襲脊椎センターの坪井競三センター長に詳しく話を伺った。
FESSの普及を見越して
早期から訓練を積み、センターを開設
高度な医療技術を要するFESS
傷跡が目立ちにくく早期社会復帰も可能

 城山病院は脳・脊髄・神経センター、心臓血管センター、消化器・乳腺センター、整形外科、血液内科などを備えた総合病院として、また救急病院として長年にわたって市民の健康を支えてきた。
 2019年に整形外科から独立する形で設立された「低侵襲脊椎センター」では、頸椎・腰椎椎間板ヘルニアに対する脊椎外科手術「FESS(全内視鏡下脊椎手術)」に力を入れる。「従来のMED(内視鏡下椎間板摘出術)では直径16ミリの内視鏡を用い全身麻酔が必要でしたが、FESSで用いる内視鏡の直径はその半分以下の6ミリ。ここにカメラ、鉗子などが収まるため、腰椎では局所麻酔で済み、術後3時間で歩行可能、原則として日帰りになります(頸椎では全身麻酔、2泊3日入院)。術後の痛みも、当日でほぼ落ち着きます」と坪井センター長は言う。しばらくはコルセットの装着が必須だが、翌日からの仕事復帰が可能だという。抜糸が必要なく、傷痕も目立たない。
 一方でFESSには高度な技術が求められる。局所麻酔で対応する病院もごく一部だ。「MEDがFESSへと置き換わることは5年ほど前から予想していましたので、早くからトレーニングを積んでいました」と語る坪井センター長のもとには近年、局所麻酔下でのFESSの見学に訪れる医師が後を絶たない。
「局所麻酔下でのFESS」という存在を広め
誰もが受けられるものに
直径6㎜内にカメラと鉗子が収まる
特殊な内視鏡手術機器
 FESSは腰部脊柱管狭窄症の適応にもなり、除圧する神経根が2箇所までであれば局所麻酔での対応が可能だ。3箇所以上となると全身麻酔が必要になるが、MEDよりも骨を削る量、筋肉を傷める頻度が圧倒的に少ないというメリットは残る。
 なお通常、椎間板ヘルニアについては日常生活に支障がない限りは保存療法を継続するものの、脊柱管狭窄症ではやや早めの手術の決断が推奨されるという。時期が遅れると、痛みや痺れが残りやすくなるためだ。
 FESSにより身体への負担を軽減していること、診療科・センター間で強固な連携を持つことから、全身疾患を有する患者にとっての障壁も少ない。また、局所麻酔に鎮静剤を併用し、応答ができる程度のウトウトした意識レベルを維持するため恐怖感も抑えられる。
 「低侵襲脊椎センター開設以降、1日最大4件のFESS手術が可能となり、来院から手術日まで患者さまの待機日数も短縮されました。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症に対する低侵襲の手術を希望する方は、ぜひ一度ご検討ください」と坪井センター長は最後に優しく呼びかけてくれた。

 
 
 

※内容は2022年7月28日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 城山病院
TEL 072-958-1000
住所 大阪府羽曳野市はびきの2-8-1
公式Webサイト(別ウインドウ)

 

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