すがまた・よしたけ
1994年獨協医科大学医学部卒業。獨協医科大学越谷病院、東京都教職員互助会三楽病院、大野中央病院などを経て、2017年さいたま記念病院外科部長。18年5月さいたま記念病院副院長。日本外科学会認定外科専門医、日本消化器学会認定消化器外科専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、身体障害者福祉法指定、日本臨床外科学会評議員
徹底したチーム医療の推進で手術時間を短縮
腹腔鏡下胆嚢摘出術の短期滞在手術が可能に
胆石症は腹腔鏡手術が第一選択異なる疾患との同時手術も可能
「相手の段取りやクセがわかっているチーム医療は、医師にとってもメリットが大きい」とチームを組む多賀谷医師は話す
 胆石症は胆管や胆嚢に、胆汁の塊である胆石ができることをきっかけとして発症する疾患である。胆石症に起因する腹痛や黄疸といった症状がみられる場合は胆嚢摘出の手術を行い治療する。「胆嚢の摘出に関しては腹腔鏡手術が第一選択です。開腹手術よりも安全で、患者さまの身体的負担も軽減できるというメリットがあります。場合によっては胆石症と鼠径ヘルニアなどの異なる疾患を同時に手術することも可能です」そう話すのは、さいたま記念病院の菅又嘉剛外科部長だ。
 さいたま記念病院は、さいたま市東部に位置し、市内を中心に救急からリハビリテーションまでバランスの取れた、より水準の高い地域医療の提供を目指している。今年に入り、消化器外科の総手術件数は112件、うち腹腔鏡手術は52件※を行っている。菅又外科部長は2017年から、さいたま記念病院に勤務。消化器内視鏡専門医の資格も持つ、腹腔鏡手術のスペシャリストだ。
 「胆石症のリスクが高まるのは40代〜50代でふくよかな体形の女性。出産回数が多い方のほうが、よりリスクが高い傾向にあります。軽い痛みの方もいれば、激痛になる方までさまざまで、胆石の大きさと痛みの強さも無関係。小さくても場所が悪ければ痛みは強くなります。胆石があっても症状がない場合、手術を選択しないこともありますが、なんらかの症状がある場合は胆嚢の摘出手術を提案しています」と菅又外科部長。
「あ・うんの呼吸」のチーム医療で手術時間を短縮し、術中の偶発症も予防
 腹腔鏡による胆嚢摘出術の入院期間は通常4日間ほどだが、さいたま記念病院では約半分の入院期間で済む、短期滞在手術も行っている。ただし短期滞在手術を受けるには、いくつかの条件をクリアする必要がある。「短期滞在手術が可能な患者さまは重症でなく、かつ短期間の手術と入退院に耐える体力のある方に限られます」菅又外科部長が胆石症の短期滞在手術を行えるのは、かねてから推進しているチーム医療の影響が大きい。さいたま記念病院ではチーム医療を徹底的に推進している。「長年チームを組み、手術に臨んでいるため『あ・うんの呼吸』で手術が可能。それが手術時間の短縮や患者さまの負担減にもつながっていると思う」と菅又外科部長は話す。
 胆石症は重症化すると胆嚢炎を引き起こすほか、胆嚢がんの発症にも関わりがあるといわれている。「胆石症と診断されたら、できれば症状がわずかなうちに手術を受けてほしいと思います。重症化して炎症を起こした胆嚢が付近の臓器に癒着し、十二指腸や大腸に穴が空いてしまったという患者さまを何人も診てきました。そうなると痛みは強く、入院期間も長くなります。腹腔鏡での手術が可能であれば負体への負担は比較的少なく、入院も短期間で済みます」そう説く菅又外科部長からは、患者に対し常に最良の医療を提供したいという意志が感じられた。

※ 2018年1月〜9月

※内容は2018年10月31日時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 さいたま記念病院
フリガナ サイタマキネンビョウイン
TEL 048-686-3111
住所 埼玉県さいたま市見沼区東宮下196
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