にしいけ・おさむ
1999年、日本大学医学部卒業後北海道大学附属病院整形外科研修。2002年、釧路労災病院、網走厚生病院、北海道大学医学部附属病院整形外科医局員、NTT東日本札幌病院、網走厚生病院整形外科部長を経て10年より現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医
2009年に高度な専門医療を実現する存在として開院した釧路三慈会病院。高齢者率の高い道東エリアを幅広くカバーし、特に整形外科においては専門性の高い治療を受けられると、連日多くの患者が来院している。今回は西池修副院長に、同院の人工関節置換術に対する取り組みを中心にお話を伺った。
整形外科の来院者の1/3が
変形性関節症の患者
 JR釧路駅から徒歩15分の場所にある釧路三慈会病院。釧路市だけではなく道東エリアおよそ150㎞圏内をカバーし、整形外科だけでも1日におよそ300人を超す患者が来院している。高齢者率が高く、農業や酪農、漁業など第一次産業に従事している人が多いという土地柄もあり、その内100人あまりが変形性関節症の患者だという。
2019年から北海道内初となる
人工関節手術支援ロボットを導入
豊富な経験と手術支援ロボットにより確実に人工関節置換術を実施する

 多くの変形性関節症の患者を抱える同院では、整形外科に内視鏡・人工関節センターを併設。2019年には国内3例目、北海道では初となる赤外線誘導式人工関節手術支援ロボットを導入している。
 「従来の人工関節置換術では、手術の際に前後の十字靱帯を切断していました。しかし当院では両十字靭帯代償型 (BCS)で、前後の十字靭帯を温存する術式を実践しています。この術式は難易度が高く、人工関節を入れるポジションなどに誤差1㎜以下の高い精度が求められます。そのために導入したのが、人工関節手術支援ロボットです」と西池修医師は語る。
 靱帯は、骨と骨をつなぐ役割を果たしている。そのため温存した場合と切断した場合を比較すると、術後階段の下降などの際に生じる関節の違和感の有無に大きな差が生じるという。
ただし、人工関節を正しい位置に設置しないと残した靱帯に負荷がかかり、逆に関節の可動域が狭まってしまう危険性がある。そこで自動停止機能などで術前計画通りに手術を行うことを可能にする、手術支援ロボットが欠かせないのだと西池修医師は強調する。
 「手術支援ロボットというと、多くの患者さまが『ロボットではなく先生に手術して欲しい』というのですが、ロボットはいわば医師が入力した術前計画通りに手術が進行しているかを管理する存在です。術前計画を立てるのも、手術するのもあくまで医師。このことを、もっと多くの人に理解していただきたいですね」
正しい治療を受けて患者さまには
生涯現役を目指して欲しい
 北海道の中でも、医療機関へのアクセス事情が悪い道東エリア。通院の負担もあり、来院時にはすでに保存治療ができないほど悪化した状態の患者も少なくないという。そこで同院では、通院の負担軽減のために送迎バスを運行し、さらに術後も自力で過ごせる状態になるまで入院しながら徹底したリハビリを行い、患者負担を軽減しているという。
 「患者さまの中には、手術をしたらもう仕事に戻れないと思い、激しい痛みを我慢している人がとても多い。しかし適切な治療を受けて、元気に仕事に復帰している方が大勢いらっしゃいます。だから膝に痛みがあるのなら、我慢せずに1日でも早く治療に取り組んで欲しいと呼びかけたいですね」と、西池修医師は力強く優しい笑顔で語ってくれた。

 

※内容は2020年11月26日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

 

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医療機関情報
施設名 釧路三慈会病院
理事長・院長 西池 淳(日本整形外科学会認定 整形外科専門医)
診療科目 整形外科、循環器内科、麻酔科(西池聡)、ペインクリニック外科、内科
TEL 0154-41-2299(代表)
住所 北海道釧路市幣舞町4-30
ホームページはこちらから(別ウインドウ)

 

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