はら・たかゆき
1995年、東京大学医学部卒業。
東京大学医学部附属病院、公立昭和病院、会津中央病院。98年、ドイツ、マックス・プランク研究所。2001年、会津中央病院、亀田総合病院、国立国際医療センター、東京大学附属病院。04年、東京都立府中病院脳神経外科医長を経て10年より現職。
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
一次脳卒中センター(PSC)を有し、24時間365日脳卒中救急診療を積極的に行っている虎の門病院。更に、脳腫瘍などの予定手術における最新技術を用いた低侵襲手術にも尽力する原貴行脳神経外科部長に、同院の取り組みについて話を伺った。
3つの科が団結・連携し
脳卒中に対する専門性の高い医療を提供
 虎の門病院は、脳神経外科、脳神経血管内治療科、脳神経内科の3つの科が協力して、24時間365日体制で脳血管障害における急性期の救急診療に特化した医療を提供している。
 「脳卒中の疑いで搬送された場合、迅速に原因を突き止め、治療を開始する必要があります。そのため早期の脳梗塞を検知できるMRI検査を24時間行える体制を整え、さらに当直医以外にも、緊急時にはすぐに病院に駆けつけるオンコール担当医を配置。全スタッフが画像送信機能のあるアプリを所持し瞬時に情報を共有、迅速に専門性の高い医療を提供できる環境を整えています。また外科部門では血管内治療と開頭手術が独立した診療体制をとっているため、偏りのないより適した治療法を2科で協議した上で提供できています」と、原部長はセンターの医療体制を解説する。
高精度な医療機器で
治療の低侵襲化を実現
最新医療機器を完備したハイブリッド手術室
専門医による高度な脳神経外科手術を実施

 脳神経外科の高い医療を支えているもうひとつの理由に、ハイブリッド手術室がある。手術顕微鏡、ナビゲーションシステム、術中血管撮影、術中CT撮影装置を備え、術中撮影した画像をリアルタイムでナビゲーションシステムに反映、さらに手術顕微鏡に連動させて手術を行っているが(三位一体手術)、こうした環境が整った医療機関は日本ではまだ数少ない。手術の精度や安全性に寄与する重要なシステムと原部長は語る。
 手術の低侵襲化という点では、従来、20㎝ほど頭皮切開が必要であったが、現在は5~8㎝程度の切開で行えるものも増えているという。
 「手術の低侵襲化に大いに寄与しているのが、画像解析技術の向上です。当院では精密な3D画像を作成、その画像を使って事前にシミュレーションを重ねることで、小さな切開でも脳にダメージを与えない手術が可能になりました。患者さんごとにテーラーメード化することが低侵襲手術の鍵と考えています」
 同院の患者に対する配慮は、医療面だけにとどまらない。高齢者など術後の体力低下が懸念される場合には、予定手術であっても術前からリハビリテーション担当者が介入して早期離床を徹底するなど、患者一人ひとりの病状、そして生活環境にまで合わせたより適切な治療を提供している。
脳腫瘍もセンター化が必要
 虎の門病院では年間100例※近い脳腫瘍(開頭)手術も行なっているが同時に200件近い経鼻内視鏡手術も行われている(間脳下垂体外科)。「症例数が多いほどスタッフを含めた経験値が上がり、成績が安定すると感じています。最新機器と経験に基づいた技術の蓄積で脳腫瘍の患者さんにもより良い治療を提供してゆきたい」と原部長は語ってくれた。

※2023年1月〜12月

 
 
 

※内容は2024年8月6日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 虎の門病院
院長 門脇 孝
TEL 03-3588-1111
住所 東京都港区虎ノ門2-2-2
アクセス 東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅より徒歩約3分
銀座線虎ノ門駅、南北線溜池山王駅より徒歩約6分
公式Webサイト

 

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