きくち・なおひさ
1990年、金沢大学医学部卒業。
96年、横浜市立大学附属病院リハビリテーション科。
2006年、同院准教授就任。同院リハビリテーション科部長。17年、千葉県千葉リハビリテーションセンター
副センター長を経て20年より現職。
日本リハビリテーション医学会代議員
日本生活期リハビリテーション医学会副理事長
日本リハビリテーション病院施設協会常務理事
日本義肢装具学会理事
長年、障害をもつ小児から高齢者まで幅広く受け入れてきた千葉県千葉リハビリテーションセンター。医療・福祉を複合した総合リハビリテーションセンターとして、CI療法や高精度な最新のロボットリハビリを導入するなど、社会復帰を目指した効果的なリハビリへの取り組みについて菊地尚久センター長に話を伺った。
患者本来の力を引き出す
専門的リハビリテーション
リハビリテーション支援ロボット用いた歩行練習
 1981年開院以来、回復期・社会・職業リハビリテーションに注力し、小児脳性麻痺や人工関節置換術にも対応している千葉県千葉リハビリテーションセンター。総合療育センターや障害者支援施設を設けて障害のある小児から成人まで幅広く受け入れており、社会復帰を目指した自立訓練など就労支援を継続して受けられる仕組みも整えている。また、千葉県高次脳機能障害支援拠点機関として、脳卒中など急性期治療後の回復期リハビリだけでなく、脊髄損傷における高度なリハビリも提供しているという。
 「当院では、ニューロリハビリの代表的なCI療法を行っており、麻痺側上肢を集中的に動かして患者本来がもつ力を引き出します。10年以上の実績をもとに、小児に対する運動機能の改善を目指したボツリヌス療法にも対応しています」と菊地尚久センター長は語る。同院では、その専門性の高さから、周辺地域の医療機関で対応が難しい三次救急などの急性期医療機関からも受け入れ要請が多いという。
「誰もが街で暮らすために」
自立に向けた医療と福祉を実践
運転再開を支援するドライビングシミュレーター

反復磁気刺激装置を活用し機能回復を図る
 さらに同院では、身体機能の効率的な回復を目指し、適切な歩行サポートが受けられる最新のロボットリハビリ・ウェルウォークシステムを導入し更なる強化を図っている。
 「患者さまが、自身の歩き方を大型モニターでチェックしながら、適切な歩行サポートを受けられます。そのため、従来のリハビリよりも膝を正しく使ったきれいな歩き方ができる方が増えています。また状態により経頭蓋磁気刺激、排尿排便管理、痙縮治療などを行い、機能を向上させて在宅復帰を目指します」と、菊地センター長は語る。患者一人ひとりの症状に合せて、医師をはじめとする熟練した多職種のスタッフがチームでサポートを行っている同院では、若手からベテランまでピラミッド型の組織を構成している。患者の特性に合わせてスタッフを選定可能にするだけでなく、刺激し合える環境となり、各スタッフが日々研鑽に励み、奮闘しているという。
 2026年、より質の高いリハビリを提供するため、転倒防止の吊り下げレーンを3つ設置するなど、最新のリハビリ環境を整え、約1・3倍の広い外来診療棟をオープンさせる予定だ。また、カフェを設置し障害者の従業員雇用を行う計画もあるという。
 「今後は、より地域へのサポートへ力を入れていく予定です。具体的には、脊髄損傷をはじめとした専門的な医療への知見とノウハウを、訪問事業において活用する仕組みを作っていきたいです」と、菊地センター長は最後に熱く語ってくれた。

 
 
 

※内容は2024年12月16日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 千葉県千葉リハビリテーションセンター
TEL 043-291-1831
住所 千葉県千葉市緑区誉田町1-45-2
公式Webサイト

 

診療時間
9:00〜17:00


【休診日】日、祝、年末年始(12/29〜1/3)