いしい・せいや
医学博士。2012年、順天堂大学医学部卒。22年、横浜鶴ヶ峰病院整形外科部長兼人工関節センター長。順天堂大学病院非常勤助教。24年より、社団医療法人養生会かしま病院整形外科。現在、複数の医療機関で診療を実施。
日本整形外科学会認定整形外科専門医
順天堂大学整形外科に籍を置き、様々な医療機関で股関節診療を行う石井聖也医師。故郷・福島県いわき市の股関節に関する専門的な治療が必要な患者の力になるため、2024年4月より同院でも診療を開始した。今回、石井医師が行う低侵襲な人工股関節置換術を中心に話を伺った。
身体への負担軽減を第一に
全例で最小侵襲手術(MIS-DAA)を行う
合併症リスクを軽減するため
最小侵襲(MIS)人工関節を実施
 東京、神奈川、福島など様々な医療機関に赴き、主に股関節の診療や人工股関節置換術を実施している石井聖也医師。
 「患者さまの身体への負担を抑えられる治療とは何かを第一に考えています。私が行っている、人工股関節置換術の前方アプローチ(DAA)は、筋肉を切らずに股関節に到達できるため、痛みが少ないのが特徴です。皮膚切開は8㎝程度です。術後脱臼のリスクが低く低侵襲な術式である一方で、術野が限られ高度な技術を要します。DAAを可能な限り低侵襲に行うために、様々な研鑽を積んできました。最近は国際学会などで講演依頼を頂き、最新の最小侵襲手術技術を世界に広める活動もしています」と語る石井医師は、手術リスクを軽減するため様々な取組みを行っているという。
早期回復を目指す
こだわりのチーム医療
患者一人ひとりに分かりやすく症状や手術方法を説明
 手術の低侵襲化のみならず、術後の状態を考慮したペインコントロールについても徹底したこだわりをみせる。
 「最新の局所麻酔法によって術前に股関節周囲の知覚神経を選択的にブロックしており、手術直後だけではなく長期的に痛みを抑えられます。また、トラネキサム酸や骨断面からの出血を防ぐ止血剤などを併用し、術中の出血を抑えることも早期回復には重要です」と強調する石井医師は、出血量や菌の増床を抑えるため、細部にわたり工夫を凝らす。そのため、術後すぐに痛みから解放され、早めのリハビリや退院が可能になる患者も多いという。
 「整形外科医が手術を実施し、全身状態を総合的に診る内科医師や心血管系を専門とする循環器内科医師が主治医となり術前から術後管理を行うなど、チームで合併症リスクの軽減に努めています。また、回復期リハビリテーション病棟を併設しており、転院せずスムーズに人工関節に特化したリハビリが継続できることもかしま病院の良い点だと思います」と石井医師は語る。
痛みの原因や治療法を知り
治療を前向きに
 月に一度ほどのペースで、股関節の健康に関する市民公開講座を開いているという石井医師。さらに同院では、2025年7月より人工股関節の専門的診療の強化を図るという。
 「腰やお尻が痛いという症状から坐骨神経痛と診断され保存療法を受けている方の中には、痛みの原因が股関節にある場合があります。適切な治療を行うことで、痛みから解放されて快適な日常生活を取り戻せる人は年齢を問わず多い。正しい治療法を知れば不安が解消され、治療に前向きになれると思います」と、最後に笑顔で語ってくれた。

 
 
 

※内容は2025年7月28日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 かしま病院
TEL 0246-58-8010(代表)
住所 福島県いわき市鹿島町下蔵持字中沢目22-1
公式Webサイト

 

整形外科 受付時間
8:30〜11:00
13:00〜15:00


【石井医師 診療日】金曜日 9:30〜12:30 ※予約制