あまの・たかゆき
医学博士。2002年、山口大学医学部卒業。
同年山口大学医学部付属病院脳神経外科入局。
09年、岡田病院脳神経外科医長。10年、米国Cedars-Sinai Medical Center
客員研究員。12年、同センターPost Doctral fellowを経て
15年、名古屋徳洲会総合病院脳神経外科。23年より現職。
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医
医学博士。2002年、山口大学医学部卒業。
同年山口大学医学部付属病院脳神経外科入局。
09年、岡田病院脳神経外科医長。10年、米国Cedars-Sinai Medical Center
客員研究員。12年、同センターPost Doctral fellowを経て
15年、名古屋徳洲会総合病院脳神経外科。23年より現職。
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医
脳動脈の血管壁が薄くなり、血液が流れ込んで血管壁がコブのように膨らんでしまう脳動脈瘤。多くの場合未破裂の状態では無症状だが、破裂すると、くも膜下出血など重篤な疾患につながる厄介な存在だ。今回は未破裂脳動脈瘤に対する新たな治療法に取り組む名古屋徳洲会総合病院の天野貴之副院長にお話を伺った。
未破裂脳動脈瘤の治療方法は
2つの治療方法に分類される
2つの治療方法に分類される
くも膜下出血は発症すると死亡率は約40〜50%で、残りのおよそ半数に重篤な後遺症が残るとされる深刻な疾患だ。発症の要因となる脳動脈瘤の大きさや場所などから処置が必要と判断された場合は手術適応となるが、現在手術法には大きく分けて2つの方法がある開頭術と血管内治療だ。「クリッピング術」は動脈瘤の根元に金属製のクリップをかけて血流を遮断する、開頭を伴う手術法。そして開頭しない血管内治療では、従来、動脈瘤内へカテーテルを用いて合金製のコイルを充填し、動脈瘤を閉塞する手術が行われてきた。
新たな手術法で
低侵襲・低リスクな処置を実現
低侵襲・低リスクな処置を実現


最新の医療機器と多彩な医療技術で脳動脈瘤治療を実施
近年、血管内治療に新たな2つの手術法が加わった。それが「フローダイバーター留置術」と「Woven EndoBridge(ウーブンエンドブリッジ:略称:WEB)による留置術」だ。前者は2021年から本格的に、後者は2023年から始まった治療法で、同院は近隣地区では先駆けて導入し実践しているという。
「フローダイバーターは従来のものと比較して非常に目が細かいステントを動脈瘤の根本の母血管に留置するものです。術中に動脈瘤が破裂するリスクが少なく、再発のリスクを抑え、従来のカテーテル治療では適応困難だった大きさの動脈瘤に対しても適応できるメリットがあります。一方、新たなデバイスによるWEB留置術は、30種類近い風船状のデバイスのうち、術前に作成した3D画像から動脈瘤のサイズに合ったものを選び、カテーテルを介して動脈瘤の中にその風船状のデバイスを留置するものです。コイル塞栓術と比較すると再発リスクが格段に抑えられる手術法です」と、天野貴之副院長は新たな手術法のメリットを強調する。
ただし、フローダイバーターには血管が分岐している場所への適応が難しい。術後1〜2年、血液をサラサラにする薬の服用が必要であること、WEB留置術には術中破裂の危険性がわずかながら残るという。そのためいずれの方法も医師の高い技術力が要求される。しかし、天野副院長は最新の医療技術を積極的に取り入れるだけではなく、クリッピング手術の発展に尽力してきた佐野公俊医師に師事し長年外科手術に注力してきた豊富な経験をもとに、開頭、血管内治療の両方をこなす二刀流として、患者の症状に応じてより適切な手術法を選択している。
「フローダイバーターは従来のものと比較して非常に目が細かいステントを動脈瘤の根本の母血管に留置するものです。術中に動脈瘤が破裂するリスクが少なく、再発のリスクを抑え、従来のカテーテル治療では適応困難だった大きさの動脈瘤に対しても適応できるメリットがあります。一方、新たなデバイスによるWEB留置術は、30種類近い風船状のデバイスのうち、術前に作成した3D画像から動脈瘤のサイズに合ったものを選び、カテーテルを介して動脈瘤の中にその風船状のデバイスを留置するものです。コイル塞栓術と比較すると再発リスクが格段に抑えられる手術法です」と、天野貴之副院長は新たな手術法のメリットを強調する。
ただし、フローダイバーターには血管が分岐している場所への適応が難しい。術後1〜2年、血液をサラサラにする薬の服用が必要であること、WEB留置術には術中破裂の危険性がわずかながら残るという。そのためいずれの方法も医師の高い技術力が要求される。しかし、天野副院長は最新の医療技術を積極的に取り入れるだけではなく、クリッピング手術の発展に尽力してきた佐野公俊医師に師事し長年外科手術に注力してきた豊富な経験をもとに、開頭、血管内治療の両方をこなす二刀流として、患者の症状に応じてより適切な手術法を選択している。
破裂してからでは
医療の選択ができない
医療の選択ができない
未破裂の段階であれば、自分で調べて高度な脳神経外科治療を提供している医療機関を受診することもできる。しかし破裂した状態では、医療機関を選択している余裕はない。それだけに天野副院長は検査の重要性を強く訴える。「救急搬送では、脳神経外科がない医療機関に運ばれることもある。脳動脈瘤には遺伝的要素もあるため、家族に罹患者がいる場合は、リスクが高まる可能性があります。40代、50代から定期的に、5年に1度程度は脳ドックをすることが大切です」と力強く語ってくれた。
※内容は2025年8月5日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください
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医療機関情報 | ||
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施設名 | 名古屋徳洲会総合病院 |
![]() |
TEL | 0568-51-8711 | |
住所 | 愛知県春日井市高蔵寺町北2-52 | |
公式Webサイト↗ |
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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8:00〜11:30 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | / | / |
16:30〜19:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | / | / | / |
※緊急は24時間365日受付