おう・ひでやす
1993年、京都大学医学部卒業、医学博士。日本眼科学会認定眼科専門医。天理よろづ相談所病院、京都大学医学部眼科助教、文部省特定国長期派遣研究員(ベルギー・ルーバン大学)、倉敷中央病院を経て、2015年より兵庫県立尼崎総合医療センター アイセンター眼科科長
極小切開の低侵襲網膜硝子体手術にこだわり
常に患者さんの立場に立った診療を心がける
創口がわからないほどの低侵襲な27G硝子体手術
白内障手術も1.8 mmという極小の切開幅で低侵襲に手術を行う。網膜硝子体手術の場合、白内障も同時に1回で行える手術が 7〜8 割を占めるという

チーム医療と先進的機器を駆使して安全で精度の高い手術を行う
 「当院眼科は阪神地域医療圏(尼崎・西宮・川西・芦屋・伊丹・宝塚・三田など)や大阪市医療圏北西部を含めた人口約200万人の範囲を診療圏としていますが、実はこの地域で網膜硝子体疾患を専門とする総合病院施設は非常に数少なく、地域の中核施設となっています。眼科疾患全般に対応しますが、とりわけ患者さんの早期回復につながる低侵襲手術には網膜硝子体手術のみならず白内障についてもごく早期より取り組み、豊富な実績を上げています」と兵庫県立尼崎総合医療センターの王英泰眼科科長はいう。
 同院の2016年1月〜12月における眼科総手術件数は5240件に上り、とりわけ網膜硝子体手術は491件と近畿圏では大学病院を含めた総合病院の中でも5傑に入り、白内障手術の実績も1400件を超える。
 網膜硝子体疾患については網膜剥離(はくり)などの緊急性疾患や加齢黄斑(おうはん)変性、黄斑上膜などの視力に直結する黄斑疾患が少なくない。「地域医療機関からの手術治療目的のご紹介が多いのですが、いきなり手術というのではなく、どんな症状で困っているか、もう一度話をよく聞きながら患者さんの立場に立ち、患者さんが納得される診療を心がけています」
 網膜硝子体手術では最先端手技である27ゲージ(G)システムを2011年からいち早く取り入れ、2017年12月までに1500件を超える27G硝子体手術を行っている。「27G手術では0・4㎜という非常に小さな切開創であるため、基本的に無縫合で抜糸の必要がなく、炎症が少なくて回復も早いのが特徴です。どこを切開したのかわからないほど、患者さんには低侵襲な手術です」と王科長は極小切開、低侵襲手術へのこだわりを述べる。また、「病状により要求される機器の性能が異なるため、疾患により3種類の硝子体手術機器を使い分けています」とも述べている。
大学病院と同じレベルの先進的機器を導入
眼科外来では、医師やスタッフ一同が「患者さんの立場に立った、分かりやすい診療」を実践している

最新鋭のOCTアンギオグラフィーも備えた網膜硝子体外来専用検査室
 同院では「的確な診断なくして適切な治療なし」という考えのもと、大学病院と同レべルの先進的な診断検査機器を率先して導入してきている。中でも網膜硝子体疾患で最重要の検査機器であるOCT(網膜光干渉断層計) は、スクリーニング用、高度な診断に耐える高精度撮影用、網膜のさらに奥の脈絡膜も含めた深部病変用など3種類を診断で使い分けているという。「近年開発されたOCTアンギオグラフィーは網膜や脈絡膜の血管形態を高精度に描出できる最新の機器で、造影剤を使わないため低侵襲な検査を実現しています」
 王科長はエキスパートドクターの証しである「Best Doctors in JAPAN」にも選出されており、さまざまな眼科学会においてインストラクションコースや教育講演などの講師を務めるなど後進の指導・育成にも尽力している。
 「低侵襲で最新の技術も取り入れた診察や手術を、患者さんとよく相談しながら行っていきます。2018年4月からはアイセンターが組織として本格稼働し、より一層プロフェッショナル性を高めたチーム医療で、地域に密着した高度な眼科医療を提供することができます」と王科長はアイセンター化への抱負を語った。

 

※内容は2018年4月27日時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 兵庫県立尼崎総合医療センター
フリガナ ヒョウゴケンリツアマガサキイリョウセンター
TEL 06-6480-7000
住所 兵庫県尼崎市東難波町2-17-77
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