たなべ・かずなり
1982年 九州大学医学部医学科卒業。2006年 東京女子医科大学 泌尿器科 主任教授、東京女子医科大学病院 診療部長。10年 副院長(診療支援部門担当)。15年 病院長就任。東京女子医科大学 医療部門担当理事。16年 医療安全・危機管理担当理事。18年 全国医学部長病院長会議 理事。日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医。泌尿器腹腔鏡技術認定制度審査委員。日本腎臓学会認定 腎臓専門医。日本移植学会理事。日本透析医学会評議員
台数の多さとスキルの高さで
ダヴィンチ手術の待ち時間を短縮
 腎・泌尿器疾患で高度な治療を実践する東京女子医科大学病院は、2011年からダヴィンチ手術を積極的に導入してきた。2018年4月には、最新機種「ダヴィンチXi」も採用。現在は3台のダヴィンチを駆使して、前立腺全摘術(前立腺がん)や腎部分切除(腎臓がん)、膀胱悪性腫瘍手術(膀胱がん)など、累計1373例※の手術を行っている。
 ダヴィンチが医療機器として世界にリリースされたのは、1999年のこと。その革新性に衝撃を受け、黎明期からダヴィンチ手術を採り入れてきたのが、泌尿器科主任教授の田邉一成医師だ。
 「2011年にダヴィンチを導入した頃は、難易度の高さから腎部分切除手術をしている病院はほぼありませんでしたが、我々には長年にわたり培ってきた腹腔鏡下手術のノウハウがあります。それをベースに、いち早くダヴィンチによる部分切除手術を実施することができました」
 急速に普及しているダヴィンチ手術だが、数か月前待ちの病院もざらだ。
 しかし、東京女子医科大学病院では台数の多さと、先駆けて導入したことによる医師の熟練度が相まって、手術までの待ち期間は約4〜6週間程度。スピード感と技術力の高さから全国から患者が絶えない。
難易度の高いダヴィンチ手術にも
対処する医師の経験値
 2018年4月からは、膀胱悪性腫瘍手術(膀胱がん)もダヴィンチ手術の保険適用になった。ダヴィンチ手術の歴史はまだ浅いが、身体への負担が少ない低侵襲手術とあってこれから更なる普及が予想される。
 「開腹手術と比較すると、ダヴィンチ手術は出血量は激減しましたし、術後に傷口の痛みも少ないです。それにより早期の社会復帰も可能になります」
 ダヴィンチ手術は、高度な技術力を要するため操作する医師にはそれ相応の技量が求められる。習熟度がものを言うダヴィンチ手術とあって、経験値と症例数は病院を見極めるうえで欠かせない判断材料だろう。
 「とりわけ腎臓は血管が多いことから、手術に際してはハイレベルな技術を要します。我々は腎臓移植も日本でトップクラスの実績を持っているため、臓器に精通しており難易度の高いダヴィンチ手術にも対処できます。他院で全摘出と言われた患者さんがセカンドオピニオンで来られることもありますが、部分切除で済むケースも多々あります。全摘出は簡単な手術で済みますが、術後の健康生活を考えると問題ない部分は残すに越したことはありません」
 悩んだら一度相談に来てもらいたいと話す田邉医師。ダヴィンチ手術のトップランナーとして最前線を走り続ける。

※2011年8月〜2019年2月

 

※内容は2019年5月9日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター
フリガナ トウキョウジョシイカダイガクビョウイン ヒニョウキカ ジンゾウビョウソウゴウイリョウセンター
TEL 03-3353-8138
住所 東京都新宿区河田町8-1
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