ふじい・まさひこ(写真右)
医学博士。1982年神戸大学医学部卒業。2009年神戸大学院医学研究科内科系講座放射線医学分野准教授・放射線科長。2013年神戸大学客員教授。同年4月神戸低侵襲がん医療センター開院。日本医学放射線学会認定放射線科専門医


まやはら・ひろし(写真左)
医学博士。1999年神戸大学医学部卒業。2013年神戸低侵襲がん医療センター開院時より現職。日本医学放射線学会認定放射線科専門医

治療開始から治療後まで、
心身のケアの充実に力を注ぐ医療体制
最新の放射線治療サイバーナイフ
 2013年、神戸低侵襲がん医療センターは明確な使命をもって誕生した。その柱が、神戸市、兵庫県における『切らずに治す』低侵襲がん治療の中核を担っていくことだった。
 藤井正彦理事長は、特に高齢者にとっての低侵襲がん治療の意味の重さをこう語る。「大きな侵襲を伴う手術の場合、合併症により大きな体力低下、認知機能低下につながる場合があります。当院が得意とする低侵襲がん治療では、生活の変化を最小限に抑えられます。また、入院が長くなるがん治療では、退院後の在宅・社会復帰を見据え、筋力の低下を予防するがんリハビリを行います」従来終末期に行われていた緩和ケアも、入院・外来問わず、がん診断直後から開始する。
 治療開始から治療後まで元気でいてもらいたい、というシンプルな信念が、トータルケアで包み込む低侵襲の医療体制を整えた。
脳への転移・肺・肝臓がんに
有用性を示す「サイバーナイフ治療」
 サイバーナイフは、ロボットアームを用いて50~200の多方向から、放射線を集約して腫瘍に照射できる装置だ。「呼吸で腫瘍の位置が動く場合でも、動体追尾機能により㎜単位の誤差で照射位置を自動で修正します。集中的な照射により、数日間で治療を終えることも可能です」と、放射線治療科の馬屋原博部長は語る。
 同院はサイバーナイフVSIを全国で初めて導入し、2018年は406名の患者に対して治療を行った。
 ガンマナイフを使った放射線治療とは異なり、麻酔・頭蓋骨固定は不要だ。痛みもない。頭部照射では、型取りをしたマスクを装着して安定を得る。体幹部の腫瘍(肺がん・肝臓がんなど)へと適応が拡大したことも大きな変化と言えるだろう。
 同院では、低侵襲のがん治療装置として、強度変調放射線治療(IMRT)に対応したトゥルービーム、トモセラピーも導入している。高精度放射線治療を安全に、確実に遂行するため、放射線治療専門医5名、放射線技師9名、医学物理士3名の体制で治療に臨む。医学物理士は、治療器のメンテナンスや患者ごとの調整を担当する、高精度放射線治療に不可欠な人材だ。放射線治療と併せて、入院あるいは外来通院でも高度な抗がん剤治療を受けられるよう、全国でも少ない日本臨床腫瘍学会認定・がん薬物療法専門医も4名の体制で臨む。
 今春から、前立腺がんに対するサイバーナイフによる定位放射線治療も開始予定。設備面・人材面の両方を着実に発展させ、低侵襲がん治療の専門性をさらに高めている。「患者さまの身体的負担を軽減させ、切らずに治すがん治療をさらに発展させていきたい」と藤井理事長と馬屋原放射線治療科部長は力強く語ってくれた。

 

※内容は2019年4月23日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 神戸低侵襲がん医療センター
フリガナ コウベテイシンシュウガンイリョウセンター
TEL 078-304-4100
住所 兵庫県神戸市中央区港島中町8-5-1
ホームページはこちらから(別ウインドウが開きます)

 

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