すずき・さちお
1992年山梨医科大学卒業。同年北里大学医学部脳神経外科入局。2012年横浜旭中央総合病院脳神経外科・脳血管内治療科部長。16年より現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医
積極的に脳血管内治療を適用し
手術実績を伸ばす
 2016年に、脳卒中治療の最先端医療を提供するために設立された「脳血管センター」で、設立当時から現在までセンター長の重責を担っているのが鈴木祥生センター長だ。高齢者の多い地域性の中で、今や脳外科における低侵襲の手術は不可欠の存在となっている。
 「高齢者に対する開頭手術は、術後の回復を含めてやはりリスクが高まります。そのため当センターでは、血管の状況や動脈瘤の形状などで血管内にカテーテルが入れられない状況でない限り、出来るだけ脳血管内治療を優先しています」と鈴木センター長は語る。
 開頭手術の場合、術後の傷口の痛みだけではなく、骨を外したりという手順が必要になるため、外見変形も伴う。また入院期間についても、開頭の場合は10〜14日程度必要だが、脳血管内治療の場合は平均で1週間、最短で4泊5日で退院する患者もいるという。最近では脳血管内治療が患者の間にも浸透し、患者自ら希望する人も少なくないという。そのため同センターでは毎年手術実績を伸ばしており、2018年度の手術実績は未破裂脳動脈瘤塞栓術38件(クリッピング術4例)、破裂脳動脈瘤塞栓術15件(クリッピング術3例)となっている。
再発リスクを抑えるため
コイル選択にも徹底的にこだわる
最新設備の整った手術室にて、高度な脳血管内治療を行う
 この治療実勢を支えているのが、脳血管センターの充実した設備だ。血管造影室を開設し、1回の造影剤の注入で2方向の撮影ができるバイプレーンを導入、さらにSCU(脳卒中ケアユニット)を開設するなど、常に治療環境を整える努力を怠らない。
 また脳動脈瘤コイル塞栓術において、再発防止の鍵を握るコイル選択についても、鈴木センター長はこだわりをみせる。
 「実は私の師匠が、コイル開発に関わっていたこともあり、コイルに関してはその原点から熟知しています。当院では瘤の形状や状態に合わせてコイルの種類や術式を選択してオーダーメードの治療を提供することで、再発リスクをより低減できるようにしています」と鈴木センター長。
検査をして予防的処置を講じ
破裂を防ぐことが大切
経験豊富な医師達が一丸となって患者を守る
 新外来棟のオープンを間近に控え、最近では高齢者の多い土地柄、正常圧水頭症に対する治療や啓蒙にも力を入れているという鈴木センター長。最後に「動脈瘤は、事前に予防処理をすることで破裂して重篤な症状に至ることを防げる疾患です。身内に病歴があり、頭痛が続くといった症状がある場合には、1度MRIを撮影することをお勧めします」と予防の大切さを強調した。

 
 
 
 

※内容は2019年5月9日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

 

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医療機関情報
施設名 聖隷横浜病院
フリガナ セイレイヨコハマビョウイン
TEL 045-715-3111
住所 神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町215
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