すずか・ともあき
2007年金沢医科大学卒後、大阪市立総合医療センター、東住吉森本病院、大阪労災病院 関節外科を経て、2019年現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医
2007年金沢医科大学卒後、大阪市立総合医療センター、東住吉森本病院、大阪労災病院 関節外科を経て、2019年現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医
健康寿命の延長を左右する
股関節と膝関節
股関節と膝関節
近年、単に長寿を目指すのではなく、2000年にWHO(世界保健機構)が提唱した「健康寿命」、いわゆる健康で自立した生命期間をいかに延ばすかが注目を集めている。そこで地域住民に対し、健康寿命の延伸に対して関節外科医という立場からアプローチすることを目的に2019年4月に淀川キリスト教病院に開設されたのが「YCH.関節外科クリニック・人工関節センター」だ。鈴鹿智章医師は副センター長という立場で、下肢(股・膝関節)の治療を担当している下肢関節治療のスペシャリストだ。
最新の医療器具やデバイスの進化により
人工関節置換術の適用範囲が拡大
人工関節置換術の適用範囲が拡大
下肢の関節には、動作時には体重の3〜6倍の負荷がかかるため、加齢に伴い変形性の関節症を発症しやすく、現在女性を中心とした多くの中〜高齢者が膝や股関節の痛みに悩まされている。初期の段階であれば痛み止めや関節注射などの保存治療が主となるが、痛みや歩容が悪化し症状が進行すると手術適応となる。周辺地域に人工関節手術が行える専門機関が少ないこともあり、症状が強い末期の段階で同センターに駆け込み来院する患者が目立つという。
「股関節、膝関節、いずれにおいても様々な手術方法があります。インプラント材質の飛躍的な向上により、人工関節の耐用年数が延びていることや、手術翌日から歩行可能な術式を採用していることもあり、当センターでは、年齢などにも寄りますが人工関節置換術を選択するケースが増えています」と、鈴鹿医師は語る。
また「骨がすり減り、関節の変形が特に進行しやすい下肢関節の場合、加えて関節周囲の筋肉が衰える、もしくは凝り固まる(関節拘縮)ことが多くなり、関節痛の悪循環がスタートします。この2つ以上の要素が重なってくると、即時手術を行っても術後回復が思わしくない場合もありますので、事前に筋肉量の回復や柔軟性を獲得してから手術を行う、もしくは末期の段階に至る少し前に手術加療をされることをお勧めしています」
「股関節、膝関節、いずれにおいても様々な手術方法があります。インプラント材質の飛躍的な向上により、人工関節の耐用年数が延びていることや、手術翌日から歩行可能な術式を採用していることもあり、当センターでは、年齢などにも寄りますが人工関節置換術を選択するケースが増えています」と、鈴鹿医師は語る。
また「骨がすり減り、関節の変形が特に進行しやすい下肢関節の場合、加えて関節周囲の筋肉が衰える、もしくは凝り固まる(関節拘縮)ことが多くなり、関節痛の悪循環がスタートします。この2つ以上の要素が重なってくると、即時手術を行っても術後回復が思わしくない場合もありますので、事前に筋肉量の回復や柔軟性を獲得してから手術を行う、もしくは末期の段階に至る少し前に手術加療をされることをお勧めしています」
YCH.関節外科クリニック・
人工関節センターの8つの特徴
人工関節センターの8つの特徴
同センターの特徴として8つ点を掲げている。まず大前提として①専門医が治療にあたること。次に人工関節置換術予定となった50歳以上の全患者に対して②骨密度検査の実施である。人工関節を設置する骨母床自体に骨粗鬆症が存在すると、人工関節の固定力やその選定に影響を及ぼすためである。次に③三次元(以下3D)術前計画が挙げられる。これは事前に撮影した患者個々のCTデータと特殊なコンピューターを用いて術前に人工関節の形状やサイズを決定し、さらに設置位置や角度まで3Dシミュレーションを行うものである。この技術の導入により、患者個々の骨形状に合わせた人工関節が選択できる上、術中トラブルの事前予測や設置不良が改善され、それに伴う脱臼や脚長差といった諸問題を防ぐことが可能となったという。④クリーン手術室の設置はもちろんのこと、⑤CTナビゲーション(以下:ナビ)や⑥最小侵襲手術(MIS)の導入などが挙げられる。ナビは人工関節を術前計画通りの位置、角度に設置するためのアシストデバイスで、全国的な普及率はまだ8%程度に留まっている。
MISは、人工関節置術における低侵襲の術式で、筋繊維を全く切らずに傷口もわずか7㎝ほどと小さいため術後の回復が早いのが特徴だ。さらにもし将来的に再手術が必要になった場合にも、周辺組織への癒着が少ないのでスムーズに行えるメリットがあるという。
最後に⑦術中疼痛管理と⑧早期リハビリが挙げられる。中でも術後の痛みは患者の満足度を下げる大きな要素になるだけに、痛みを抑えることには力を入れていると鈴鹿医師は語る。「術中に神経ブロックやカクテル注射、さらに術後にも薬効の異なる数種の薬剤を併用するマルチモーダル鎮痛(多剤併用による)で徹底的な疼痛管理をすることで、手術翌日から積極的なリハビリを可能にしています。やっぱり笑顔で歩いて自宅へ帰って欲しいですからね」
MISは、人工関節置術における低侵襲の術式で、筋繊維を全く切らずに傷口もわずか7㎝ほどと小さいため術後の回復が早いのが特徴だ。さらにもし将来的に再手術が必要になった場合にも、周辺組織への癒着が少ないのでスムーズに行えるメリットがあるという。
最後に⑦術中疼痛管理と⑧早期リハビリが挙げられる。中でも術後の痛みは患者の満足度を下げる大きな要素になるだけに、痛みを抑えることには力を入れていると鈴鹿医師は語る。「術中に神経ブロックやカクテル注射、さらに術後にも薬効の異なる数種の薬剤を併用するマルチモーダル鎮痛(多剤併用による)で徹底的な疼痛管理をすることで、手術翌日から積極的なリハビリを可能にしています。やっぱり笑顔で歩いて自宅へ帰って欲しいですからね」
求められるのは患者一人ひとりに合わせた
オーダーメードの治療
オーダーメードの治療
ひと口に股関節が痛い、膝が悪いと言ってもその原因はさまざまだと鈴鹿医師は指摘する。
「同じ疾患でも、骨格や年齢など、一人として同じ状態の患者様はいませんし、目指すべき目標もそれぞれに異なります。そこで最新の医療器具や技術で患者様一人ひとりにオーダーメードの治療を実現し、健康寿命を守るお手伝いをしていくことが責務と考えています」
関節センターを核に、地域住民の健康寿命を守る鈴鹿医師の挑戦は、まさに今始まったばかりだ。
「同じ疾患でも、骨格や年齢など、一人として同じ状態の患者様はいませんし、目指すべき目標もそれぞれに異なります。そこで最新の医療器具や技術で患者様一人ひとりにオーダーメードの治療を実現し、健康寿命を守るお手伝いをしていくことが責務と考えています」
関節センターを核に、地域住民の健康寿命を守る鈴鹿医師の挑戦は、まさに今始まったばかりだ。
※内容は2019年10月31日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください
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医療機関情報 | ||
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施設名 | 淀川キリスト教病院 | |
フリガナ | ヨドガワキリストキョウビョウイン | |
TEL | 0120-364-489 | |
住所 | 大阪府大阪市東淀川区柴島1-7-50 | |
ホームページはこちらから(別ウインドウが開きます) |
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:00〜17:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 9:00〜12:00 | / | / |
※午後は全て予約診 【休診日】土午後、日、祝日