たかはし・ともき
1997年琉球大学卒業後、熊本大学医学部附属病院整形外科。98年熊本市民病院整形外科。99年熊本機能病院整形外科。2001年英国留学を経て09年九州大学大学院 医学系学府 医療経営・管理学専攻。11年九州大学大学院卒業後、現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医





人工関節センターを設け、国内有数の手術実績を誇る熊本機能病院は、2020年1月よりロボット支援手術を導入し、より確実な手術を目指すと共に、ケアミックス型病院として、周術期のケアを徹底させることで実績を上げている病院だ。
そこで今回は、高橋知幹人工関節センター長に、同院の人工関節置換術に対する取り組みを中心にお話を伺った。
2020年1月から
人工関節置換術にロボット支援手術を導入
豊富な経験と最新医療機器にてより確実に人工関節置換術を実施する
 20年ほど前から、スタッフの専門性を高めることを目的に、人工関節置換術を専門に扱う「人工関節センター」を設けている熊本機能病院。現在、整形外科部長と人工関節センター長として、診療の最前線に立っているのが高橋医師だ。
 人工関節置換術において、常に時代をリードする治療法を積極的に取り入れてきた同院で、2020年の1月から導入されたのが「ロボット支援手術」だ。これはコンピューター制御されたロボティックアームを用いる最新の手術で、ロボティックアームは術前計画通りの動きをし、少しでも外れた動きをしようとすると自動停止することから、従来の術式と比較すると安全かつ正確な手術を可能にしてくれるという。
 「人工関節置換術において最も重要なことは、人工関節をはめる角度、位置、の正確さと固定性です。ロボット支援手術の場合、術前計画をインプットし、そこから少しでも誤差が生じれば自動停止するので、術前計画通りの手術が可能になりました」と、高橋医師は導入の意義を語る。
ケアミックスで患者のADLの完成を
チーム医療で目指す
 同院のもう一つの特徴は、診察、手術、リハビリまでをトータルで行う「ケアミックス病院」である点だ。
 「よく、自立歩行の完成が退院のメドといわれますが、私たちが退院の目安としているのは、その患者さんの生活事情に合わせたADL(日常生活動作)の完成です。例えば門から玄関まで階段がある家にお住まいの場合には、自力でその階段を昇れるようになるまでを目指します」と高橋医師。
 そこで同院で導入しているのが「クリニカルパス」だ。これは医師、看護師、理学療法士など、患者に関わる全スタッフが治療の目標やケアの方法を共有できるシステムで、スタッフ間による対応のバラツキなどを防ぐのに効果を発揮しているという。
正しい情報に接し納得のいく治療を
1日も早く受けて欲しい
 人工関節置換術を行う一番の目的は、痛みの除去だと高橋医師は指摘するが、手術をためらい、痛みに耐えてより症状を悪化させているケースがまだまだ多いのが現状だという。
 「人工関節はひと昔前と比較すると耐久性は上がり、合併症のリスクは低下しています。また保存治療に関しても、鎮痛薬の選択肢などが広がり、効果を上げています。ぜひ一度受診して、まずは正しい情報を聞き、納得の上で1日でも早く治療に取り組んでいただきたいですね」と、高橋医師は膝、股関節の痛みに悩む方々に優しい笑顔を送ってくれた。

 

※内容は2020年4月27日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 熊本機能病院
フリガナ クマモトキノウビョウイン
TEL 096-345-8111(代表)
住所 熊本県熊本市北区山室6-8-1
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