もり・だいすけ
関西医科大学卒業後、京都大学整形外科に入局。その後、関連病院を経て、船橋整形外科に肩関節鏡手術の習得を主な目的に国内留学、米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を主な目的に留学した。2014年9月から京都下鴨病院で肩関節外来を担当。
日本整形外科学会認定整形外科専門医
関西医科大学卒業後、京都大学整形外科に入局。その後、関連病院を経て、船橋整形外科に肩関節鏡手術の習得を主な目的に国内留学、米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を主な目的に留学した。2014年9月から京都下鴨病院で肩関節外来を担当。
日本整形外科学会認定整形外科専門医
近年、注目されているリバース型人工肩関節置換術。本邦で2014年に認可される数年前から、手術の有効性を見出し、いち早く海外に渡り技術習得し高度な手術提供を実現した肩関節疾患のスペシャリスト森大祐医師に詳しい話を伺った。
腱板機能の温存ができないときに
一度は検討してほしい手術
一度は検討してほしい手術
京都下鴨病院では、一般整形外科治療から手術を含めた専門的整形外科治療まで対応し、地域に根差した医療を提供する。肩関節鏡下手術、膝靭帯再建術、人工関節置換術、軟骨移植手術など年間約1000件を、11名の整形外科専門医が執刀している。
リバース型人工肩関節置換術の主な適応となるのは、変形性肩関節症および腱板断裂症性変形性肩関節症で腕が上げられない・辛い痛みに悩む患者だ。特に従来の全人工肩関節置換術では効果が得られにくい、腱板機能の修復が困難なケースに適している。腱板機能がなくても肩関節における最大の筋力を持つ三角筋の機能で挙上が可能となり、痛みも軽減する。肩の上がり方は、健常の7〜8割までの回復が期待できるという。
「上腕骨頭を切除してグレノスフェアを肩甲骨に固定する際に、三角筋が効率よく働くための至適位置にいかに設置できるかが手術の際には重要になります」と森医師は言う。グレノスフェアとは肩甲骨に固定する半球形の金属を指す。グレノスフェアの受け皿の役目を果たすライナーと連結したステムが上腕骨に固定される。筋肉のバランス、骨の変形の程度などさまざまな要素を考慮して位置を決定することで、より良好な結果を目指す。
関節リウマチ、上腕骨近位端骨折も同手術の適応となる。国内では比較的新しい手術であるが、可能性は広がりつつある。両肩にリバース型人工肩関節を入れた患者も少なくない。また同院では、以前に人工肩関節置換術を受け、その後インプラントの金属疲労や緩みによって痛みが再発したケースを対象としたリバース型人工肩関節による再置換術も行っている。
リバース型人工肩関節置換術の主な適応となるのは、変形性肩関節症および腱板断裂症性変形性肩関節症で腕が上げられない・辛い痛みに悩む患者だ。特に従来の全人工肩関節置換術では効果が得られにくい、腱板機能の修復が困難なケースに適している。腱板機能がなくても肩関節における最大の筋力を持つ三角筋の機能で挙上が可能となり、痛みも軽減する。肩の上がり方は、健常の7〜8割までの回復が期待できるという。
「上腕骨頭を切除してグレノスフェアを肩甲骨に固定する際に、三角筋が効率よく働くための至適位置にいかに設置できるかが手術の際には重要になります」と森医師は言う。グレノスフェアとは肩甲骨に固定する半球形の金属を指す。グレノスフェアの受け皿の役目を果たすライナーと連結したステムが上腕骨に固定される。筋肉のバランス、骨の変形の程度などさまざまな要素を考慮して位置を決定することで、より良好な結果を目指す。
関節リウマチ、上腕骨近位端骨折も同手術の適応となる。国内では比較的新しい手術であるが、可能性は広がりつつある。両肩にリバース型人工肩関節を入れた患者も少なくない。また同院では、以前に人工肩関節置換術を受け、その後インプラントの金属疲労や緩みによって痛みが再発したケースを対象としたリバース型人工肩関節による再置換術も行っている。
アメリカ留学で得た技術・知識を活かした
精度の高い診断・手術
精度の高い診断・手術
森医師は2013年の4月からアメリカのトーマスジェファーソン大学に留学し、リバース型人工肩関節置換術の領域のパイオニアともいえる医師に師事した。「技術の修得はもちろんですが、適応の見極め、予後の予測など大変勉強になりました。この1年半があったからこそ、自信を持って患者さまに提案することができます」と森医師は語る。
特に適応の見極めには細心の注意を払う。術前の手術計画の際には、CT画像をもとにボーンモデルを作成し、シミュレーションに沿って手術を行うことでそのリスクの低減を図る。関節リウマチに伴う関節窩の骨欠損の程度が著しい肩関節には、関節窩への骨移植を行うバイオリバースで対応する。自家骨移植だけでなく、同種保存骨移植(保存していた他人の骨の移植)を行うための骨バンクも備えている。
基礎疾患に伴う感染リスク、術後の負荷に伴う脱臼リスクについても事前にしっかりと伝える。一人ひとりにとってのメリットとデメリットを共有しておくことが、最終的な満足につながるためだ。どのような手術なのか、なぜ有効なのかを患者に理解してもらうため、実際の人工関節や画像・イラストを使い、例え話を交えて説明する診察姿には森医師の誠実な人柄が表れている。
特に適応の見極めには細心の注意を払う。術前の手術計画の際には、CT画像をもとにボーンモデルを作成し、シミュレーションに沿って手術を行うことでそのリスクの低減を図る。関節リウマチに伴う関節窩の骨欠損の程度が著しい肩関節には、関節窩への骨移植を行うバイオリバースで対応する。自家骨移植だけでなく、同種保存骨移植(保存していた他人の骨の移植)を行うための骨バンクも備えている。
基礎疾患に伴う感染リスク、術後の負荷に伴う脱臼リスクについても事前にしっかりと伝える。一人ひとりにとってのメリットとデメリットを共有しておくことが、最終的な満足につながるためだ。どのような手術なのか、なぜ有効なのかを患者に理解してもらうため、実際の人工関節や画像・イラストを使い、例え話を交えて説明する診察姿には森医師の誠実な人柄が表れている。
「肩の症状を諦めないでほしい」という
医師としての願い
医師としての願い
「完治を目指す」と森医師は繰り返し口にした。リハビリテーション設備が整い、理学療法士20名、スポーツトレーナー1人が在籍する同院ならリハビリ期間も安心だ。肩腱板修復術等の術後と比べると痛みが少なく、自主訓練にも積極的になれるという。
ただ、肩が上がらない・ゴリゴリと音がするといった症状を単なる肩こりや歳のせいと思い込み、受診に至っていない患者はかなりの数と推定される。「普通の人は自分が変形性肩関節症だとは考えません。リバース型人工肩関節置換術は基本的に65歳以上を対象としていますが、他の治療が難しい場合には50代でも受けられます。適応を間違わなければ著しい機能回復・疼痛緩和が期待できますので、まずはお気軽に肩関節外来にご相談ください」と森医師は最後に力強く語ってくれた。
ただ、肩が上がらない・ゴリゴリと音がするといった症状を単なる肩こりや歳のせいと思い込み、受診に至っていない患者はかなりの数と推定される。「普通の人は自分が変形性肩関節症だとは考えません。リバース型人工肩関節置換術は基本的に65歳以上を対象としていますが、他の治療が難しい場合には50代でも受けられます。適応を間違わなければ著しい機能回復・疼痛緩和が期待できますので、まずはお気軽に肩関節外来にご相談ください」と森医師は最後に力強く語ってくれた。
※内容は2022年1月31日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください
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医療機関情報 | ||
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施設名 | 京都下鴨病院 | |
TEL | 075-781-1158 | |
住所 | 京都府京都市左京区下鴨東森ヶ前町17 | |
公式Webサイト(別ウインドウ) |
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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8:00〜12:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | / | / |
17:00〜20:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | / | / | / |