とみなが・しんすけ
医学博士。1959年、京都大学医学部卒業後、同大学院博士課程修了。64年、京都大学医学部附属病院脳神経外科勤務。70年、富永脳神経外科病院を設立し、その後富永病院に名称変更。73年より現職。
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医


診察日 毎週月曜日 9:00〜

AVM手術実績はこちらから https://www.tominaga.or.jp/avm/

脳神経外科の専門病院として、長年豊富な実績を誇る富永病院。脳動静脈奇形(AVM)など、他院で断られた難症例の手術も多く手掛け、脳神経外科における「最後の砦」として、現場の第一線で活躍し続けている富永紳介理事長に話を伺った。
熟練した脳神経外科医達が在籍し
高度な技術力で難症例にも対応
豊富な経験と高い技術力を併せ持つ脳神経外科医が23名在籍し、高度な治療を提供
 富永病院は、1970年に開院以来「一人でも多く救命し、一人でも多く後遺症なく社会復帰させること」を理念に掲げ、長年脳神経外科の専門病院として地域医療に貢献してきた。患者のニーズに対応するべく整形外科、循環器内科なども開設し、現在では幅広く様々な治療に対応している。同院では、顕微鏡下手術、内視鏡下手術、脳血管内治療、定位放射線治療など、23名の脳神経外科専門医が在籍し様々な脳神経外科治療にあたっている。
 特に注目されているのが、難症例への対応だ。聴神経腫瘍や脳動静脈奇形(AVM)など、他院で治療を断念された症例に対し、豊富な経験を持つ医師やメディカルスタッフ達による高度なチーム医療で対応している。長年、卓越した技術力でトップランナーとして走り続けてきた富永紳介理事長のもとには、日本全国のみならず米国、韓国、インドネシア、台湾など海外からも患者が訪れるという。 
脳出血の危険がある脳動静脈奇形
早期治療で後遺症も回避
手術時間と出血量が年ごとに着実に減少しております。手術技術の向上を示唆しております。
 血液は動脈・毛細血管・静脈の順に流れており、動脈から流れてくる血液の圧力が静脈にかからぬよう、毛細血管が防波堤の役割を担っている。脳動静脈奇形では、胎生期に脳血管の異常がおこり、脳内で拡張し、蛇行した異常な血管の塊(これをナイダスと呼ばれる)が生じて、動脈と静脈が毛細血管を介さずにナイダスを介して直接つながってしまう。こうしてできたつながりにより、圧の高い血液が静脈へと流れ、激しい血流に耐えられずに破れてしまうことが多い。そのため、脳出血やくも膜下出血など危険な状態を引き起こす要因になっている。破れなくてもけいれんや頭痛、手足のまひで見つかることもある。
 「脳動静脈奇形と診断された方の約70%は、突然脳出血やくも膜下出血を引き起こしています。これは20〜40歳代に多く見られ、特に30代、比較的若い方に多いのが特徴です。発見の遅れ・放置には大きなリスクが伴うため、早期に発見し、より適切な治療を受けることが大切です。
 脳動静脈奇形がみつかったら、若い人ほど手術を早めに受けるのがよいでしょう。その理由は、若い人ほど余命が長く、出血のリスクが累積します。しかし、若い人には特有の旺盛な再生力、回復力(レジリエンスといい、これは年齢とともに衰える)があります。
 60歳以降に初めて脳動静脈奇形が診断された例でも、年間2〜3%の出血のリスクがあるので積極的な治療を検討した方がよいでしょう。」と富永理事長は指摘する。
豊富な経験と高い技術力を駆使し
症状に適した効果的な治療を実践
 脳動静脈奇形の治療は開頭手術、脳血管内治療、定位放射線治療の3つの方法がある。開頭手術は効果が直ちに得られるため、もっとも有効的な治療と言われている。ナイダスを外科的に摘出し出血を予防する治療法だ。脳血管内治療では、カテーテルを用いてナイダスに酸素や栄養を届ける血管やナイダスに接着剤を流し込んで塞ぐ。ナイダスが大きいと、数回の脳血管内治療を行った後に開頭手術や定位放射線治療を行うこともある。定位放射線治療とは、ガンマナイフを用いた治療で、192本の細かいガンマ線を患部に高精度に集中照射する。脳の深部などにあって摘出が難しい場合や、手術そのものが難しく合併症が出る場合などに有効的な治療法だ。ガンマナイフが用いられるので、ガンマナイフ治療と呼ばれることが多い。
 「当院では、高度な技術力を要する脳動静脈奇形に対し〝後遺症を出さずにナイダスを除去、出血を完全に予防することを目標に掲げ、最新の医療機器を導入した治療センターを設置しております。全面的に受け入れられる体制を整え、他科との綿密な連携を図りながら、手術顕微鏡を用いた摘出術、血管内治療、ガンマナイフ治療の三層に、リハビリテーション、再生医療を加えた五層の構えで積極的に治療を行っております」と富永理事長は語る。
 脳動静脈奇形は、発生場所がおおよそ決まっている脳動脈瘤とは異なり、脳のどこにでも発生する。そのため、様々な症状に対し臨機応変に対応しなければならない。それには豊富な経験と高い技術力が求められる。「脳卒中治療ガイドラインによると単独手術での完全消失率は、摘出術82%、塞栓術6%、定位放射線治療83%とありますが当院ではほとんど全例に摘出術と塞栓術やガンマナイフ治療を組合せて行い、完全消失率は100%に近い。それに特筆すべきことは死亡率が0であるということ。ガンマナイフ単独治療は特に少なく、塞栓術単独は消失率が低く再発しやすいので行っていない。しかし、長径が約6〜9㎝以上の大きい例では全例に、脳血管内治療と定位放射線治療を組合せて行うので、より的確な処置をするのに、経験に基づいた綿密な治療計画の立案が重要になってきます」と富永理事長は語る。
手術のライブ中継を実施し、
患者さんご家族の安心
後進の育成にも尽力
 同院では、全国に先駆けて脳神経外科手術のライブ公開を実施している。患者さんの手術を院内モニターでライブ中継することで、透明性の高い高度な手術が実現でき患者さんとの信頼関係にも繋がっているという。また紹介元(患者さんのほとんどが他病院からの紹介である)の医師とは手術室での見学も行われている。全ての手術をビデオ収録し後進育成にも力を注いでいるという。
 国内の脳動静脈奇形患者は1万2000人以上と推定されているが、無症状のケースが多いため発見が遅れがちだという。特に、命の危険を伴うこともあるため早期治療が重要となる。「外来受診が難しい患者さんにも簡易的な判断と今後のアドバイスが行えるよう、AVM相談専用ダイヤルを設け、分院の富永クリニックでは脳ドックを行い速やかに連携できる体制を整えております。重篤な状態になる前に、一歩を踏み出し受診して欲しいですね」と富永理事長は優しく呼び掛けてくれた。

 
 
 
 

※内容は2022年1月31日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください


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