やました・たけし
医学博士。日本整形外科学会認定整形外科専門医。岡山大学医学部卒業。千葉大学大学院医学研究院整形外科修了。千葉大学医学部附属病院 整形外科、千葉メディカルセンター、スイス・ベルン大学、帝京大学ちば総合医療センター 整形外科講師を経て、2009年より医療法人社団淳英会 理事長 に就任。14年にはおゆみの中央病院を開設し、16年より同院院長に就任。
国際関節症学会(OARSI)学会賞受賞、千葉県臨床整形外科医会副会長
千葉地域リハビリテーション広域支援センター センター長
「安心できる社会の創造」という理念を掲げ、千葉市緑区にて地域医療を支える「おゆみの中央病院」を運営する医療法人社団 淳英会。舵を取る山下剛司理事長・院長に、同院が取り組む、高度な人工ひざ・股関節全置換術について話を伺った。
地域の医療ニーズに幅広く対応
急性期から慢性期まで充実した受け入れ体制
高精度なロボティックアーム手術支援システム(Mako)
 「おゆみの中央病院」は、整形外科を中心に内科、脳神経外科、形成外科、リハビリテーション科など11科を標榜している中核病院だ。
 「この地域はいわゆる新興住宅地で、長らく病床不足が続いていました。そのため手術や入院機能を備え、さらにはリハビリまで一貫して行える病院を求める声が多く、2014年に現在の病院を開院しました」そう語るのは、現在も臨床現場の第一線で活躍している山下剛司理事長だ。開院時149床でスタートした病床も今や170床まで増床し、小さな子どもやスポーツ障害を抱えた学生アスリート、さらには高齢の方まで幅広い年代の患者が訪れるという。
新技術「ロボティックアーム
手術支援システム(Mako)」の導入
より低侵襲で高精度な人工関節置換術の提供
最新のバイオクリーンルームを完備。クラス100(第一手術室)
 2022年4月より、同院は新たな取り組みとして、「ロボティックアーム手術支援システム(Mako)」を用いた最新の人工ひざ・股関節全置換術の本格稼働を始めた。
 「歩くことは人の健康の基本であり、健康寿命を延ばすことにもつながります。今後人工関節置換術に対する社会的ニーズの高まりが予想されることから、本機の導入に踏みきりました」と、山下理事長は導入の経緯を語る。
 インプラントの正確な設置は術後の関節機能を左右することが知られているが、同システムは三次元CTデータを基に術前計画を策定し、ナビゲーションシステムと制御されたロボティックアームを医師が操作することで、計画部位を超えて削り過ぎる心配が無い。その為、従来の方法に比べ低侵襲であるといえる。そして何より、インプラントの高精度な設置が期待できることから、最新の医療技術として、近年注目されていることも頷ける。
 「従来の術式を受けた患者さまに、新たにもう片方の手術をロボティックアームを用いて行った結果、術後の痛みが少なかったと喜んでいただけたケースもありました」
 現在は独自にデータを収集している最中ではあるが、海外の論文でも侵襲の少なさから、患者にかかる負担軽減を図れることが発表されている。
最新技術を積極的に取り入れ
臨床研究を通し医療の発展を図る
 同院では積極的に最新の医療技術・設備を導入してきた。中でも手術室は米国航空宇宙局(NASA)の基準ではクラス100に位置付けられているバイオクリーンルームであり、安全で衛生的な環境下で、高精度な医療提供を実現している。人工関節置換術だけではなく、骨切り術、関節鏡手術を実施する一方、自家培養膝軟骨移植術や関節の痛みを切らずに治すPRP療法等の再生医療にも積極的に取り組んでいる。また、術後のリハビリテーションも特徴のひとつで、各病棟に設置されたリハビリテーション室で早期に密度の濃い機能回復訓練を実施している。この他にも、装着する患者の意思を感知して歩行動作などをアシストする自立動作支援ロボット(HAL)を導入するなど、常に患者ファーストの視点で積極的に最新技術を取り入れてきた。
 「これまで歩行困難だった方が治療して普通の生活ができるようになるなど、整形外科の診療の現場では、患者さまの劇的な生活の質の向上を実感できます。今後は更なる医療の発展のために、臨床研究などにも力を入れていきたいですね」と、最後に山下理事長は今後の抱負を熱く語ってくれた。

 
 
 

※内容は2022年7月28日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 おゆみの中央病院
TEL 043-300-3355(代表)
住所 千葉県千葉市緑区おゆみ野南六丁目49番地9
公式Webサイト(別ウインドウ)

 

診療時間
9:00〜12:00 ◯ ※
14:00〜17:00


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【休診日】祝、年末年始 他