いけむら・しげと
2001年、三重大学医学部卒業。
日本整形外科学会認定整形外科専門医
三重県の経済拠点である中勢地域で、長年に渡り地域住民の健康を守り続けてきた松阪市民病院。多くの患者が押し寄せる同院では、高度な整形外科治療を提供している。2022年1月、新たにPRP療法・APS療法を開始した整形外科科長の池村重人医師に詳しい話を伺った。
手術出来ない方でも治療が可能な
関節の再生医療の提供を開始
関節や脊椎など難易度の高い高度な手術にも対応
 一般外傷の治療をはじめ、関節疾患に対する関節鏡下手術や人工関節置換術、脊椎疾患に対する脊椎外科手術など幅広く対応している松阪市民病院。様々な患者のニーズに応え、つらい関節痛を切らずに治す最新の関節治療、PRP療法・APS療法の治療提供を開始した。
 PRP療法とは、患者の血液を遠心分離器にかけ、成長因子を豊富に含むPRP(多血小板血漿)を抽出し患部に注射することで、筋肉や靭帯の組織の修復を促す。また、最新のAPS療法はPRPをさらに遠心分離・特殊加工し、関節痛・炎症の軽減および軟骨の変性や破壊の抑制が期待できるAPS(自己たんぱく質溶液)を高濃度に抽出し患部に注射して症状改善を図る治療法だ。
 「APS療法は、薬物療法やリハビリなどの保存療法と手術療法との中間に位置づけられる治療です。ご高齢の方や持病をお持ちの方、ヒアルロン酸注射などの保存療法で十分な効果が得られない、通院が難しいなど、様々な理由で手術を受けられない方でも治療を受けることが可能です」と池村医師は語る。同院では、初診で患部の状態や治療内容など詳しい説明を行い、患者が治療内容を正しく理解し納得した上で、次回以降に治療を実施している。採血から注射までは約1時間、腫れ・痛みなど急性反応が出る場合もあるが、通常は数日以内に職場復帰することが可能だという。
 「患者さまの症状や状態によっては、APS療法でも十分な効果が得られないケースも考えられるため、将来的に手術が必要になる可能性のある方にはその点もきちんとお伝えしています」と池村医師は、患者目線から状態を正しく伝えることが大事だと指摘する。
より的確に症状を見極め
幅広い年齢層の治療にも対応
 保存療法では長期的改善に至らないケースも多いため、再生医療を導入して以来、APS療法を検討する患者が増えているという。また、一般的にAPS療法は、主に膝への治療を行っている医療機関が殆どだ。股関節への治療は高度技術を要するため、全国的にも治療できる医療機関は限られているが、同院では既に股関節への治療も実施している。
 「一般的に60~70代の方に多い変形性膝関節症ですが、若い方でも肥満が原因となり発症することがあります。同院では、幅広い年齢層の患者さまに対応できるよう、レントゲン透視下で状態をしっかり見極めながら、膝だけでなく股関節への治療もできる体制を整えています」身体への負担が少なく治療効果が高いため、今後さらに身近な治療となっていくでしょうと語る池村医師。「保存療法や手術にも対応し、リハビリテーション科も備えている病院ですので、症状にお困りでしたら、お気軽にご相談ください」と最後に池村医師は優しく語りかけてくれた。

 
 
 

※内容は2022年7月28日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 松阪市民病院
TEL 0598-23-1515
住所 三重県松阪市殿町1550
公式Webサイト(別ウインドウ)

 

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