はやし・もとひろ
医学博士。1991年、群馬大学医学部卒業、東京女子医科大学脳神経外科入局。94年、同ガンマナイフユニット従事。99年、フランス・マルセイユ・ティモンヌ大学留学。2000年、フランス脳神経外科専門医師資格取得。02年、同大学院先端生命医科学研究所兼務。07年、同脳神経外科講師。15年、第12回国際定位放射線治療学会学術大会長。19年、同脳神経外科准教授。22年、同脳神経外科教授。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・評議員・代議員
医学博士。1991年、群馬大学医学部卒業、東京女子医科大学脳神経外科入局。94年、同ガンマナイフユニット従事。99年、フランス・マルセイユ・ティモンヌ大学留学。2000年、フランス脳神経外科専門医師資格取得。02年、同大学院先端生命医科学研究所兼務。07年、同脳神経外科講師。15年、第12回国際定位放射線治療学会学術大会長。19年、同脳神経外科准教授。22年、同脳神経外科教授。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・評議員・代議員
1993年の開設以来、多くの患者を救ってきた「東京女子医科大学 ガンマナイフユニット」。そのユニットの長として、臨床だけでなく先駆的な取り組みで論文なども数多く発表し、世界に向けてガンマナイフ治療に関する情報を発信し続けている林基弘教授に、ガンマナイフ治療から患者や疾患と向き合う覚悟など、幅広くお話を伺った。
身体への負担を軽減させた
最新のガンマナイフ治療
最新のガンマナイフ治療
ガンマナイフ治療は、ガンマ線を0・1㎜という細い髪の毛1本分以下という精度で周囲の神経を傷つけずに腫瘍にアプローチしながらも骨髄機能の抑制・脱毛といった副作用を極力抑えられる治療法だ。
現在、東京女子医科大学病院では転移性脳腫瘍をはじめ、三叉神経痛、聴神経腫瘍・髄膜腫などの良性脳腫瘍、脳動静脈奇形に加え、神経が複雑に入り組んでいるため特に外科的アプローチが難しいとされる海綿静脈洞内腫瘍まで幅広い症例に対してガンマナイフ治療を実践している。さらに2021年11月より、最新のIconシステムを導入し、位置精度を保つべき従来のフレームでピン固定するタイプに加え、症例に応じてマスク固定で治療が行えるようになり痛みを軽減させている。また日帰り照射や短期間での複数回照射にも対応しているという。
現在、東京女子医科大学病院では転移性脳腫瘍をはじめ、三叉神経痛、聴神経腫瘍・髄膜腫などの良性脳腫瘍、脳動静脈奇形に加え、神経が複雑に入り組んでいるため特に外科的アプローチが難しいとされる海綿静脈洞内腫瘍まで幅広い症例に対してガンマナイフ治療を実践している。さらに2021年11月より、最新のIconシステムを導入し、位置精度を保つべき従来のフレームでピン固定するタイプに加え、症例に応じてマスク固定で治療が行えるようになり痛みを軽減させている。また日帰り照射や短期間での複数回照射にも対応しているという。
患者の心に寄り添い
困難な治療でも果敢に挑む
困難な治療でも果敢に挑む
同院は大学病院という特性上、先駆的な取り組みも行っているという。
「化学療法、外科的処置など全てをやり尽くし、もうガンマナイフ治療しかないという状態の9ヶ月の乳児の治療を行なったことがあります。通常この治療は、2歳以下は適用外とされています。しかし、もし治療を放棄したらこの子は確実に助からない状態でした。そこで親御さまと深く話し合い『治療して欲しい』という覚悟を胸に、厳格な院内会議を経たのち治療を行ない、命を救うことができた世界でも初の症例となりました」
林医師が診察室の中で大切にしているのは、医師と患者としてではなく、人間対人間として向き合うことだという。
「診療室に来る時、多くの患者さまは出口の見えないトンネルの中にいる状態です。そこで私たちはまずそのトンネルには明るい出口があることを示し、その人が見失っていた出口に至る一筋の道を見えるようにしてあげる。したいことができる人生を取り戻す。そこからが治療の始まりです」
治療をする上では、疾患の治癒だけではなくQOLの維持にも力を注いでいる。乳がんからの多発性脳転移で累計140もの腫瘍があり、治療当時は一般的には認知機能などに対する副作用が4割は出るとされる全脳照射しかないという状況の中でも、脳に悪影響を与える腫瘍を的確に見極めて治療を行うことで、「一人息子を育てあげたい」という強い希望から、脳機能を維持しながらの治療を完遂したこともあったという。
「化学療法、外科的処置など全てをやり尽くし、もうガンマナイフ治療しかないという状態の9ヶ月の乳児の治療を行なったことがあります。通常この治療は、2歳以下は適用外とされています。しかし、もし治療を放棄したらこの子は確実に助からない状態でした。そこで親御さまと深く話し合い『治療して欲しい』という覚悟を胸に、厳格な院内会議を経たのち治療を行ない、命を救うことができた世界でも初の症例となりました」
林医師が診察室の中で大切にしているのは、医師と患者としてではなく、人間対人間として向き合うことだという。
「診療室に来る時、多くの患者さまは出口の見えないトンネルの中にいる状態です。そこで私たちはまずそのトンネルには明るい出口があることを示し、その人が見失っていた出口に至る一筋の道を見えるようにしてあげる。したいことができる人生を取り戻す。そこからが治療の始まりです」
治療をする上では、疾患の治癒だけではなくQOLの維持にも力を注いでいる。乳がんからの多発性脳転移で累計140もの腫瘍があり、治療当時は一般的には認知機能などに対する副作用が4割は出るとされる全脳照射しかないという状況の中でも、脳に悪影響を与える腫瘍を的確に見極めて治療を行うことで、「一人息子を育てあげたい」という強い希望から、脳機能を維持しながらの治療を完遂したこともあったという。
病を治すあらゆる可能性を追求!
病気で壊れた人生も治してあげたい
病気で壊れた人生も治してあげたい
近年ガンマナイフ治療をさらに発展させる取り組みとして、腫瘍治療に留まらず、一部の難治性てんかんや手のふるえ(振戦)、そして薬剤コントロール不能ながんの痛みの緩和といった取り組みも行なっている。さらに、豊富な国際医療経験をもつ林医師の医療技術を必要として海外から訪れる多くの患者にも広く診療の門戸を広げている。「私は特にお子さんの脳動静脈奇形に対する治療依頼に対し、首を横に振ったことは一度もありません。どこの国でもどこの病院からでもさじを投げられたお子さんの治療を行う、それも医療を扱う大人として重要な役割だと考えています」
林医師が治療をした患者の中には、その姿勢に感銘を受け医療従事者になる「林チルドレン」も少なくないという。「治療するのは病気ですが、病で壊れかけた人生を取り戻してあげたい」と、林医師は最後に治療に向き合う姿勢を熱く語ってくれた。
林医師が治療をした患者の中には、その姿勢に感銘を受け医療従事者になる「林チルドレン」も少なくないという。「治療するのは病気ですが、病で壊れかけた人生を取り戻してあげたい」と、林医師は最後に治療に向き合う姿勢を熱く語ってくれた。
※内容は2023年1月31日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください
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医療機関情報 | |
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施設名 | 東京女子医科大学病院 |
TEL | 03-3353-8111 |
住所 | 東京都新宿区河田町8-1 |
Webサイトはこちら(別ウインドウ) |
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~16:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ※ | / | / |
※土9:00~12:00 【休診日】日、祝、第 3 土曜日、創立記念日(12/5)、年末年始(12/30~1/4)
林基弘医師 「至高の定位放射線治療を目指して」 公式Webサイト(別ウインドウ) |
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〜 林 基弘医師が現在プロデュースを行っている医療機関 〜 | ||
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施設名 | 宇都宮脳脊髄センター・シンフォニー病院 | |
TEL | 028-678-3232(ZAP センター受付) | |
住所 | 栃木県宇都宮市宮みらい1-35 | |
診療時間 | 9:00〜12:30/13:00〜17:00 | |
休診日 | 日、祝 | |
公式Webサイト(別ウインドウ) | ||
施設名 | 三愛病院・さいたまガンマナイフセンター | |
TEL | 048-710-8100 | |
住所 | 埼玉県さいたま市桜区田島4-35-17 | |
受付時間 | 9:00〜17:00(林医師は木曜日担当) | |
休診日 | 火、日、祝 | |
公式Webサイト(別ウインドウ) | ||
施設名 | JTK Clinic | |
TEL | 03-6261-6386 | |
住所 | 東京都千代田区麹町4-1-5 麹町志村ビル2F | |
診療時間 | 10:00〜17:30 | |
休診日 | 土、日、祝 | |
公式Webサイト(別ウインドウ) |