まつもと・かず(写真右)
医学博士。1994年、岐阜大学医学部卒業。国立国際医療センター、都立墨東病院、岩井整形外科内科病院。2006年、Sanford/Burnham Medical Research Institute留学。10年、岐阜大学医学部整形外科を経て、22年4月より現職。
日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会評議員、日本人工関節学会評議員


いしまる・だいち(写真左)
医学博士。2004年、岐阜大学医学部卒業。
20年、松波総合病院。22年10月より現職。
日本整形外科学会認定整形外科専門医

岐阜市北西部の位置にある「岐阜清流病院」は、地域では大規模な病院の一つだ。2022年4月から下肢関節手術の経験が豊富な松本和医師を病院長に迎え、整形外科の診療に力を入れている。そこで今回は人工関節置換術への取り組みを中心に、同院の整形外科診療の特徴について、松本病院長と整形外科副部長の石丸大地医師にお話を伺った。
高度な人工関節置換術を軸に
関節温存治療にも積極的に対応
コミュニケーションを重視した丁寧な対応。一人ひとりに合ったオーダーメイド診療を提供
 岐阜県の中南部に位置し、岐阜城があることでも有名な岐阜市は人口約40万人を抱える県内最大の都市だ。この地域の医療を長年支えてきた病院は2018年4月、新たな経営スタッフのもと、診療内容や病院設備を充実した上で、岐阜清流病院として新たにスタートした。
 2022年の4月から、病院長に就任した松本病院長。自身の就任前から、同院が目指すコンセプトは明快だったと語る。「『医療や介護を通じて地域の皆様に笑顔をお届けする』という理念を掲げ、緩和ケアや地域包括ケアといった分野にも力を注ぎ、地域の方々のあらゆるニーズに応えられるコミュニティーホスピタルを目指しています」
 同院では、下肢関節手術の経験が豊富な松本病院長を中心に、現在変形性膝関節症・股関節症の治療に力を入れている。
 「変形性膝関節症では、膝関節の全てを置換する人工膝関節全置換術(TKA)だけではなく、膝の変形が片側のみである、全ての靭帯が保たれているなど適用条件をクリアしている患者様には関節の傷んでいる部分だけを置換する単顆型人工膝関節置換術(UKA)を適用しています。さらには若年の患者様を中心に、骨切り術といった関節の温存手術も積極的に行っています」と、松本病院長は治療の特徴を語る。そして石丸副部長も、こう言葉を続ける。「膝関節は構造と動きが複雑ですので、できるだけ患者様ご自身の膝関節の機能を温存、回復できるような治療を心がけています。そのため当院では半月板縫合術や靭帯再建術にも対応しています。人工関節置換術以外にこれほど治療の選択肢がある医療機関は、多くないと自負しています」
手術支援用ロボットの導入で
より低侵襲な手術の実現を目指す
最新医療機器を導入し衛生管理を徹底した手術室。高度な人工関節置換術を軸に関節治療を行う
 現在同院では、すべての人工膝関節置換術において手術支援用ロボットを適用しており、股関節置換術手術用の支援ロボットも近々導入予定だという。「手術支援ロボットを用いることで、正確に人工関節を設置し、患者様が本来もっておられる膝関節のバランスを再現できます。また、人工関節を設置するための骨を削る量や靭帯の処置が最少量で済むため、患者様にとって少ない負担で手術が可能で、早期の機能回復が望めます」と、松本病院長はそのメリットを語る。
関節は悪化する前に
予防的治療をすることが大切
 関節の機能は一度損なわれれば、そこから再生を望むことは現代の医療ではまだまだ難しい。そのためひどくなる前に予防的治療を行うことが大切だと、松本病院長と石丸副部長は声を揃える。
 「例えば早期に骨切り術を行うことで膝関節への負担を減らせば、8〜9割の患者様は生涯自分の関節で暮らせるともいわれます。欧米とは異なり、日本では膝関節が悪くなったらすぐに人工関節に交換という発想は根付いていません。それだけに階段の昇り降りなどで膝に違和感を覚えたら、早めに受診してほしいですね」と、松本病院長と石丸副部長の両名は最後にやさしい笑顔でアドバイスを送ってくれた。

 
 
 

※内容は2023年1月31日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

(PR)
医療機関情報
施設名 岐阜清流病院
TEL 058-239-8111
住所 岐阜県岐阜市川部3-25
Webサイトはこちら(別ウインドウ)

 

診療時間
9:00〜17:00

※土は12:00まで  【休診日】土午後、日、祝、年末年始