まつした・こうじ
2004年、宮崎大学医学部卒業。同年横須賀市立うわまち病院。06年、西吾妻福祉病院。08年、Oregon Health & Science University 短期留学。同年、東京北医療センター。10年、自治医科大学附属さいたま医療センター助教。13年、練馬光が丘病院。15年、イムス三芳総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター長。17年、東京外科クリニック 特任院長(兼務)。18年、板橋中央総合病院 鼠径ヘルニア統括医師を経て、22年より現職。
日本内視鏡外科学会評議員、日本ヘルニア学会評議員、日本外科学会認定外科専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医
「鼠径ヘルニア」に対し、患者負担が少ない「日帰り腹腔鏡手術」を行う専門クリニックとして、2022年9月に埼玉・大宮駅から徒歩3分の場所にオープンした「埼玉外科クリニック」。今回は松下公治院長に、日帰り腹腔鏡手術の普及、そして新しいクリニックにかける思いを伺った。
自然治癒が望めない
鼠径ヘルニア治療に手術は不可避
熟練した医療スタッフによるきめ細かな対応
 鼠径ヘルニアとは、腹壁の弱い部分が裂けて、腸の一部が鼠径部(太もものつけ根)から出てきてしまう疾患だ。自然治癒することはなく、根治には手術が必要で、国内でも毎年12万人以上が手術を受けている。「鼠径ヘルニアはがんなどと異なり、患者数が多い割に専門とする医師が少ない疾患です」と、松下院長は指摘する。
 鼠径ヘルニアを発症しても、自覚症状は鼠径部の膨らみと違和感ぐらいである。しかし放置すると進行して大きくなり、男性では陰嚢まで膨らんでしまう。腹壁から出たままお腹の中に戻らなくなる嵌頓(かんとん)状態になると、腸閉塞や腸穿孔、腹膜炎を引き起こすこともある。
 鼠径ヘルニアの手術は、現在日本では切開による手術も多く、5日間ぐらい入院するのが一般的だ。最近では腹腔鏡手術で対応する医療機関も増えているが、それでも日帰り手術はまだ全体の数%である。
 「入院は、たとえ短期間であっても心身、そして経済的にも患者さんの負担が大きいです。そこでできるだけその負担を軽減したいと考え、日帰り腹腔鏡手術専門クリニックを立ち上げました」と、松下院長は開院の経緯を語る。
所要時間3〜4時間で歩いて帰宅可能
高度な医療技術で行う腹腔鏡手術
 同クリニックの腹腔鏡手術の所要時間は1時間前後で、麻酔から覚めた後は1時間半ぐらい個室でゆっくりと休む。そのためトータル3〜4時間で全ての処置が終わり帰宅可能で、その日のうちに飲食やシャワーもできる。手術の際には5㎜程度の穴を3ヶ所開け、傷は溶ける糸で縫うので、術後に抜糸する必要はない。術後気になる症状があれば24時間いつでも電話相談可能で、基本的に翌日と1週間後に電話で病状をフォローする。問題がなければそこで治療が終わるため、治療による負担を最小限に留めることができる。
 「激しい運動は2週間程度控えていただきますが、事務仕事なら体調が許せば翌日から復帰することも可能です」と、松下院長は日帰り腹腔鏡手術のメリットを強調する。
患者負担の少ない日帰り腹腔鏡手術を
日本に普及させたい
 このように最低2回の通院で済む同クリニックだが、松下院長はだからこそむしろ一期一会のおもてなしの心を大切にしており、プライベート空間で快適に過ごしてほしいという。自身のクリニックを拠点に、日帰り腹腔鏡手術による鼠径ヘルニア治療をもっと日本に普及させたいと、最後に松下院長は力強く目標を語ってくれた。

 
 
 
 
 

※内容は2023年4月25日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

(PR)
医療機関情報
施設名 埼玉外科クリニック
TEL 048-650-2555
住所 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-268
エイコービル3F
公式Webサイト

 

受付時間
8:30〜17:00