かぜかわ・きよし
1982年、防衛医科大学卒業。2008年、福岡大学筑紫病院脳神経外科教授。17年より現職。
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医
2017年の開院以来、福岡を中心とした九州全域のみならず海外からも患者が訪れるという福岡脳神経外科病院。脳神経外科の専門病院として、24時間365日脳卒中患者を受け入れ続け、患者により適した高度な脳神経外科治療を目指す風川清理事長に、同院の取り組みについてお話を伺った。
高度な脳卒中医療を提供する
一次脳卒中センター(PSC)コア施設
開頭手術と血管撮影や血管内手術を統合して
行うことが可能なハイブリッド手術室を完備
 福岡脳神経外科病院の医療水準の高さを示すものはいくつもあるが、まずは『一次脳卒中センター(PSC)コア施設』に認定されている点に触れておきたい。PSCは、24時間365日脳卒中患者の受け入れが可能であり、かつ、急性期脳卒中専門の医師が在籍し、速やかにt─PA静注療法を含む高度な治療を開始できる施設のみが認定される。さらにコア施設に認定されるためには、血栓回収療法を行う資格を持つ医師が3名以上常勤していることが必要で、現在全国でもおよそ250の医療機関しか認定されていない。
 同院では、3室の手術室があるがそのうち2室に最新の血管撮影装置を設置するなど、大学病院レベルの医療設備を有しており、脳血管内治療専門医5名が常勤して、年間約500件※もの高度な脳血管内治療を実施している。更に、風川理事長は後進育成にも尽力しており、高い技術力を若手医師へ伝授するため、実にその約9割の手術に自ら立ち会い、指導を行っているという。
 「私が手術に立ち会うことで、若い医師も安心して経験を積むことができる。そのためなかなか休みが取れないのですが、今では1日休むと逆に不安になってしまいます」と、風川理事長は苦笑する。
FREDへの取り組みで
血管内治療適応症例を拡大
脳卒中治療脳血管内治療専用の第2手術室
 さらに同院で特筆すべきは、『フローダイバーターステント治療(FRED)』により、他の医療機関で適応困難と診断された患者に対しても血管内治療をおこなっている点である。FREDは網目の細かい特殊構造のステントを留置し、脳動脈瘤内に流入する血液量を減らして血栓化させることで破裂を防ぐ技術だ。これにより脳動脈瘤の大きさが10㎜を超えるような、従来のコイル塞栓術だけでは根治が難しかった症例にも血管内治療で対応できるという。「FREDは動脈瘤の大きさが10㎜以上のもののみに適用されていましたが、2023年の春から5㎜以上に規定が変更になりました。そのため今後さらに適応症例が増えると思います」と風川理事長は語る。
トータルな医療提供で
さらなる高みを目指したい
 同院では、2023年の春から新たに内科の医師3名が入職したという。その理由について、風川理事長は次のように語る。「脳卒中を引き起こす大きな因子となる生活習慣病などをコントロールすることで、脳卒中の予防により力を入れたいと考えたためです。これからは脳卒中に対し、予防から急性期治療、さらにはリハビリテーションまで見守ることができる医療機関として、患者さまのためにさらなる高みを目指していきたいと考えています」と力強く語ってくれた。

※2021年度:2021年4月〜2022年3月

 
 
 
 
 

※内容は2023年7月31日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 福岡脳神経外科病院
TEL 092-558-0081
住所 福岡県福岡市南区曰佐5-3-15
公式Webサイト

 

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