ゆきおか・まさお
医学博士。1974年、日本医科大学医学部卒業。
75年、大阪大学整形外科入局。79年、行岡病院整形外科。82年、行岡病院理事長。94年より現職。
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション専門医
1934年の開院から、大阪の中心地で地域医療を支え続けている行岡病院。中でも1986年に設立されたリウマチセンターは、専門性の高い医療に加えて患者の生活を支える場としても機能し高い信頼を集めている。今回は行岡正雄理事長・院長に、同院のリウマチ治療に対する取り組みについて話を伺った。
治療薬の開発により
進化したリウマチ治療
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が多数在籍し
専門スタッフと連携しながらリハビリを実施
 自己免疫疾患の一種であり、激しい痛みや関節破壊といった深刻な症状をもたらすリウマチ。長年臨床の現場で活躍してきた行岡理事長は、リウマチ治療は薬の開発により劇的に変化をもたらしたと強調する。
 「ステロイド剤や抗リウマチ剤といった薬の登場で、まずは痛みのコントロールに光明が見え、2003年に生物学的製剤が登場したことで、リウマチによる関節破壊を防ぐ治療も行えるようになりました」
併発している疾患の治療も行うことで
リウマチの治療効果を高める
最新医療機器を完備したオペ室
患者にやさしい医療を実践する
 しかし生物学的製剤を使用しても、痛みがコントロールできるのは8割程度とされている。そこで行岡病院では、患者がリウマチ以外の疾患を抱えていないかを慎重に見極め、もし持病がある場合などは、その疾患も含めた治療を行っているという。
 「例えば、うつ病を発症していると、リウマチの痛みをより強く感じることがあります。そういう場合、うつ病の薬を併用することで、約9割の方が痛みのコントロールができるようになったと臨床現場で実感しています」と行岡理事長は語る。
 現在同院では、国際的にもリウマチ治療の指針となっているT2T(Treat to Target)を実践している。これは疾患の活動性を数値化し、現在の状態や治療目標を見える化することで、患者にも主体的に治療に関わってもらうこともねらいの一つだ。
 「リウマチは完治することありません。そのため、臨床的かんかい寛解というリウマチによる症状や検査異常が消失した状態を目指します。関節破壊を防ぐためには、治療に対する機会の窓が開いている間に徹底して治療することが重要です。そのためにも少しでも気になる症状があるなら、迷わず受診してほしい」と、行岡理事長は訴える。
患者の心と身体を診る
チームで取り組むリウマチ治療
 リウマチの明確な発症のメカニズムはいまだ解明されておらず、筋繊維症など、リウマチと類似の症状が出る疾患もある。そのため、まずはしっかりとリウマチか否かの診断をつけることが大切だと、行岡理事長は指摘する。
 「もしリウマチと診断されたら、重症度やどんなタイプのリウマチなのかを見極め、総合的に治療方針を決める必要があります。これを実践するためには、リウマチ治療の専門性の高い医療機関を受診することが大切です」
 同院では初診の際、まずは診察室に入ってきた患者の表情、歩き方、座り方などをじっくり観察するという。その上で心理状態のテストも行い、日常生活動作で困っていることなどを丁寧に問診し、的確な治療に結びつけているという。
 「リウマチの治療には、身体だけではなく心の治療も必要です。そのために内科、整形外科、精神科、リハビリ、看護師など多職種が連携して治療にあたる現在の体制を、これからも維持していきたいと考えています」と、最後に行岡理事長は力強く語ってくれた。

 
 
 

※内容は2024年12月16日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 行岡病院
TEL 06-6371-9921(代表)
住所 大阪府大阪市北区浮田2-2-3
公式Webサイト

 

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