こんどう・たいち(写真右)
2002年、日本大学医学部卒業。
同年、湘南鎌倉総合病院。04年、日本大学医学部附属板橋病院。06年、南部徳洲会病院。09年、葉山ハートセンター。15年、横須賀共済病院。19年、埼玉東部循環器病院を経て21年、埼玉県立循環器・呼吸器病センター。23年より現職。
日本外科学会認定外科専門医
3学会構成心臓血管外科専門医


はら・まさゆき(写真左)
2004年、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。同年、東京慈恵会医科大学附属第三病院初期臨床研修。06年、厚木市立病院外科。08年、東京慈恵会医科大学付属病院外科学講座血管外科。12年、助教。22年より現職。
日本血管内治療学会理事
日本外科学会認定外科専門医
3学会構成心臓血管外科専門医

埼玉県熊谷市において、循環器・呼吸器病、脳血管障害に対する高度先進医療を提供している埼玉県立循環器・呼吸器病センター。心・脳血管X線撮影装置を備え外科手術とカテーテル手術を同室で行えるハイブリッド手術室2室を整備するなど、高度な心臓外科と血管外科を担う近藤 太一心臓外科科長と原 正幸血管外科科長に話を伺った。
心疾患に対する
専門性の高い医療を提供
 循環器系疾患及び呼吸器系疾患に関する専門病院として、高度先進医療を提供している埼玉県立循環器・呼吸器病センター。同院の心臓外科では、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、心臓弁膜症、動脈瘤などの大血管疾患に加え、ペースメーカーなど内科的治療では治癒が見込めない不整脈といった成人の心疾患を診療対象としている。加齢も疾患の要因となる心疾患だけに、平均年齢70歳前後の患者が多く、熊谷を中心に行田や秩父エリア、そして群馬からも来院してくるという。
ハートチームの設立で
風通しの良い組織を実現

心臓外科チーム:県北の急性期医療に貢献する心臓外科医
左から近藤医師、阿部医師、織井医師、平井医師、大西医師

 同院の診療体制として特徴的なのは、ハートチームの存在だ。現在、2024年手術実績の約半数を占めている心臓弁膜症など、心臓外科医、循環器内科医、麻酔科医、臨床工学士などが在籍している多様な部署が横断的にチームを作り、専門分野の垣根を越えて治療に当たっていると語るのは同科のトップとして心臓外科科長を務める近藤太一医師だ。
 「患者さまが10年、20年後も元気で過ごせるように、エビデンスが確立され症状に適した医療を提供する必要があるため、当院では、ハートチームが様々な角度から症状に合った治療方法を導き出します。その分カンファレンスでは、1時間以上も激論を交わすこともありますよ」と、近藤心臓外科科長は語る。
ステントグラフト内挿術において
高い実績を誇る

血管外科チーム:低侵襲治療を積極的におこなう血管外科医
左から墨医師、原医師、白水医師、鈴木医師

 そして、同院の医療を支えるもうひとつの柱となっている血管外科では、心臓と脳以外のすべての血管に特化した診療を行っている。
 「血管の疾患は、大きくいえば動脈瘤のように血管が膨れるものと、動脈硬化のように血管が詰まるものに分類されます」と語るのは、血管外科科長であり診療部長も務める原正幸医師だ。日本におけるステントグラフト内挿術の黎明期から症例を重ね、現在は現場の治療だけではなく、全国で技術指導も行っているという。
 「当院では、埼玉県でも高齢化率が高く医療過疎が深刻な秩父エリアもカバーしています。ステントグラフト内挿術の傷口は、小指の先程度しかありません。それだけに今まで手術の適応が難しかった高齢の方でも、この手術で健康を取り戻す人が増えています」と原血管外科科長は語る。
予防医療の普及にも
力を尽くしたい
 インタンビューの中で、患者と向き合うときは、常に自分の家族だったらと考えて接するようにしていると、両医師は同様の言葉を発した。「患者さまやご家族と信頼関係がなければ良い手術は行えません。一度関わった患者さまは、一生の付き合いだと思って接しており、他の疾患にかかった時でも良い医者を紹介します」と近藤科長、原科長の両医師は語る。
 働き方改革が求められる時代、限られた人数で高度医療から救急まで担当している同院。これからは予防医療の普及にも力を入れ、救急対応そのものを減らすことで患者、病院双方にとってwin-winの道を模索していきたいと、最後に2人の医師は将来の夢を語ってくれた。

 
 
 

※内容は2025年7月28日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 埼玉県立循環器・呼吸器病センター
TEL 048-536-9900(代表)
住所 埼玉県熊谷市板井1696
公式Webサイト

 

診療時間
8:30〜17:15


【休診日】土、日、祝、年末年始(12/29〜1/3)