こたか・まさひと
1997年、高知医科大学医学部卒業。
2001年、国立がんセンター東病院。
06年より現職。
日本外科学会認定 外科専門医
日本消化器外科学会認定 消化器外科専門医
1888年に開院した佐野病院は、長年にわたり地域医療に取り組んできた医療機関である。同院では、大腸がんに対して内視鏡治療やロボット支援下手術を組み合わせ、患者の状態に応じた治療が行われている。今回は、消化器がんセンター長の小髙雅人医師に話を聞いた。
肛門温存術とロボット手術による
大腸がん治療の取り組み
力覚技術が支えるロボット支援下手術
 大腸がんの治療においては、人工肛門(ストーマ)に不安を抱く患者も少なくない。佐野病院では、腫瘍の位置や進行度を踏まえ、排便機能の温存が可能かどうかを検討しながら治療方針を決定している。肛門に近い部位のがんに対しては、肛門括約筋(こうもんかつやくきん)の一部を切除し、腸と肛門をつなぐ術式が選択されることもあるが、その適応は患者ごとの状態に応じて判断される。
 消化器がんセンター長の小髙雅人医師は「国立がんセンター東病院で働き始めた20年ほど前は、大腸がんの患者さまが増加しており、社会的な必要性を感じてこの分野を選びました」と振り返る。大腸がん診療に長年携わってきた経験を活かし、関西圏にとどまらず海外から受診する患者もいるという。
 2025年には、力覚(りきかく)機能を備えた国産の手術支援ロボットが導入された。ロボット支援下手術は、医師が操作装置を用いてアームを動かし、細かな操作が可能とされている。特に骨盤のような狭い部位では、従来の腹腔鏡手術に比べて操作性の向上が期待されるという。
 「ロボットアームは多関節で、狭い骨盤内でも自在に、そして精密に動かせます。神経損傷を避け、排尿障害や性機能障害などの合併症も防ぎやすい」と小髙医師は話す。
 一方で、技術的に肛門温存が可能と判断される場合でも、術後にどの程度機能が保たれるかについては慎重な検討が求められる。排便機能に加え、排尿や性機能への影響も含めて事前に説明が行われ、患者の意向を踏まえて治療方針が決定される。「術後の生活を見据え、患者さまと相談しながら治療方針を慎重に決めています」と小髙医師は語る。
内視鏡・外科・研究を
組み合わせた大腸がん治療
専門スタッフと最新設備による手術体制
 同院は、内視鏡を用いた検査・治療から腹腔鏡・手術支援ロボットを用いた外科手術、さらには薬物療法(抗がん剤)から緩和治療までと、がん治療に関して、幅広い診療体制を整えている。「内科チームと外科チームの両方の強みを活かし、大腸がん根治の可能性を高めたい」と小髙医師は熱く語る。
 そのため研究や治験にも積極的で、小髙医師は血液中のがん由来の遺伝子を検出する研究や、抗がん剤の治験にも数多く参加し、大腸がん治療の選択の幅を広げる取り組みを行っている。「私はもう、大腸がんを倒すという熱意しかない。患者さまをどう治すか、その一点に向かってこれからも邁進したい」と小髙医師は最後に治療に対する熱い気持ちを語ってくれた。

 
 
 

※内容は2026年7月29日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 佐野病院
理事長・院長 佐野 寧
TEL 078-785-1000
住所 兵庫県神戸市垂水区清水が丘2-5-1
アクセス JR垂水駅から山陽バス清水が丘行 終点清水が丘降車すぐ
公式Webサイト

 

診療時間
9:00〜12:00


【休診日】日、祝、年末年始(12/30〜1/3)