「良医の視点」を皆さまの熱いご要望によりweb公開決定!(2017.4月〜現在まで・公開中)週刊新潮にて掲載

まつお・かずひろ
医学博士。2004年浜松医科大学医学部卒業。同年東海中央病院。10年名古屋セントラル病院。11年名古屋大学医学部医学系研究科博士課程入学。15年同課程修了。同年東海中央病院。日本循環器学会認定循環器専門医、日本内科学会認定総合内科専門医
救急隊とのホットラインで命をつなぐ
併存症も考慮したカテーテル治療がポリシー
来院から血流再開まで90分よりさらに短縮することを目指す
チーム医療で行う循環器内科医師


第一循環器内科部長

内田 一生

うちだ・いっせい(右から2番目)
医学博士。1991年金沢大学医学部卒業。国立循環器病研究センター、名古屋大学医学部附属病院、春日井市民病院等を経て、2007年東海中央病院。名古屋大学医学部臨床教授、日本循環器学会認定循環器専門医、日本内科学会認定総合内科専門医

 岐阜県の南部に位置する各務原市と周辺地域の二次医療機関として急性期医療を担う東海中央病院。ここでは24時間体制の循環器救急医療を実施しており、急性心筋梗塞をはじめとする緊急症例の受け入れを強化してきた。カテーテルで冠動脈の狭くなった部分を治療する低侵襲の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)だけでも、年間154件※の実績を持つ。治療の大多数を担っている、医務局長で第二循環器内科部長の松尾一宏医師は、緊急度が高いカテーテル治療は時間との勝負だと力を込める。
 「心筋梗塞は冠動脈血管壁にこびりついた塊『プラーク』が破たんして血栓を形成し血管を塞いでしまうため、急がないと血流が滞り心筋の壊死が拡大してしまいます。数ある疾患の中でもとりわけ一刻も早く治療することが重要になります」
 そこで、同院では救急隊と連携して、緊急カテーテル治療を要する可能性が高い病状の場合は循環器内科医へダイレクトにつながる回線を開設した。
 「カテーテル治療は様々な医療スタッフとチームを組んで行います。夜間や休日でも迅速に対応するために、日頃から勉強会を行いさらなる医療水準の向上を目指しています。病院に来院してから閉塞した血管を再開通させるまでの時間のことをDoor─to─balloon time(DTBT)といい、90分以内に抑えることが理想とされますが、我々はより一層の時間短縮を目指しています」と松尾医師は語る。
併存症のある高齢者でもカテーテル治療を諦めないで
心臓カテーテル治療を行う松尾一宏医師と宮崎達也医師
 循環器内科としてこだわっていることについて、松尾医師は「循環器の専門家である前に内科医であること」と話す。地域特性により患者層は様々な疾患を抱えた元気な高齢者が多く、心臓に特化した知識だけではなく、併存する慢性疾患も習熟することを大切にしているそう。
 「治療に使用するカテーテルは2㎜程度まで細くなり、手首の動脈を穿刺し治療できるようになったため、患者さまへの負担も低減しました。年齢や併存疾病を鑑みて治療を諦めようかお悩みの方にこそ、低侵襲のカテーテル治療のメリットを知っていただきたいです」と松尾医師。
 また、第一循環器内科部長の内田一生医師の話からは、地域の医療拠点として信頼に応えようとする姿勢が窺える。「地域の開業医向けのセミナーを実施しています。院内では、月2回心臓リハビリテーションカンファレンスを行い、理学療法士、看護師、医師などのチームで患者さまの容態を共有しています」
 命を左右する心臓だからこそ医師の技量と丁寧な対応が一層求められる。「急いだ検査や治療はせず、じっくり患者さんに向き合うことを大切にしています」と内田医師は話す。

※2017年4月〜2018年3月

 

※内容は2019年2月21日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 東海中央病院
フリガナ トウカイチュウオウビョウイン
TEL 058-382-3101
住所 岐阜県各務原市蘇原東島町4-6-2
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