きっかわ・ゆういちろう
2002年、長崎大学医学部卒業。
10年、九州大学病院助教。
14年、埼玉医科大学国際医療センター講師、16年、同准教授。
19年より現職。
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
埼玉県北部エリアで随一の一次脳卒中センター(PSC)コア施設として脳血管障害治療に注力している埼玉県立循環器・呼吸器病センター。今回、吉川雄一郎脳神経センター長に、特に力を入れている脳動脈瘤治療への取り組みについて話を伺った。
最新の医療設備を整え
365日脳卒中治療に対応
高度な医療技術を駆使し脳動脈瘤治療を24時間365日体制で行う
 脳卒中など、命の危険を伴う多くの救急患者を受け入れるべく、24時間・365日体制で治療に当たっている埼玉県立循環器・呼吸器病センター。高度な治療提供を目指し2019年、開頭手術とカテーテル治療を同時に行えるハイブリッド手術室など、大学病院並みの医療設備を整えた「脳神経センター」を設立し、救急治療のみならず予防的治療にも力を注いでいる。
 「未破裂動脈瘤とは血管にできたこぶで、ほとんどの場合は無症状です。現在のところ、脳動脈瘤ができる原因は不明ですが、致死率が高い、くも膜下出血の約8割は動脈瘤の破裂によるものです。そのため未破裂の状態で見つかった場合には、発生部位、大きさ、形などによっては予防的治療を行うことが望ましい場合もあります」と、吉川雄一郎脳神経センター長は指摘する。
開頭手術や脳血管内治療など
患者に合わせた動脈瘤治療を選択
最新医療機器を完備したハイブリッド手術室
 特に脳卒中は、患者の急変など不測の事態に際し、早急かつ適切な治療対応が求められる。そのため同院では、開頭手術と脳血管内治療の両方に精通した吉川脳神経センター長が中心となり、様々な状況に迅速に対応できる体制を整えているという。
 「当院では、開頭して動脈瘤の根元を金属のクリップで挟み、血流を遮断するクリッピング、開頭せずカテーテルを用いて動脈瘤の中にコイルを留置し、血流を遮断するコイル塞栓術、特殊なステントを留置して動脈瘤内を血栓化させるフローダイバーターシステムなど個々の症例に適した治療を行っています」と吉川脳神経センター長は語る。さらに同院では、脳神経外科、心臓外科、血管外科など診療科の垣根を超え、全身の血管を専門的に診断・治療する高度なチーム医療を展開している。
 「脳卒中患者さんの中には心臓や血管に異常が見られる方もいます。当院は、各分野の専門医やスタッフが連携して、あらゆる手術に対応できるよう、協力体制で治療にあたっています」と吉川脳神経センター長は強調する。
未破裂の段階なら
医療機関を探すこともできる
 日々脳卒中の治療と向き合う中で、吉川脳神経センター長が痛感するのは検診の重要性だという。
 「未破裂動脈瘤は、状態が深刻でない場合は経過観察となりますが、大きさや発生場所などによって手術適応となる場合もあります。動脈瘤の破裂する確率は1%程度ですが、いざ破裂すれば命に関わります。未破裂状態なら徹底的に調べて自分で納得ができる医療機関を選ぶことができますが、破裂してからは医療機関を選択する余地がありません。そういう意味では脳ドックなどの検診を受けることも意義があることだと思います」と、最後に検診の重要性を語ってくれた。

 
 
 

※内容は2026年1月28日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 埼玉県立循環器・呼吸器病センター
TEL 048-536-9900(代表)
住所 埼玉県熊谷市板井1696
公式Webサイト

 

診療時間
8:30〜17:15


【休診日】土、日、祝、年末年始(12/29〜1/3)