どうめん・かずひさ
医学博士。1986年、慶應義塾大学医学部卒業。
慶應義塾大学医学部研修医、慶應義塾大学医学部助手を経て、
94年、埼玉県総合リハビリテーションセンター医長、96年、Pennsylvania州立大学
およびATR Human Information Processing Research Laboratoryへ留学。
97年、東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科医長。
2000年、兵庫医科大学リハビリテーションセンター助教授。
05年、兵庫医科大学リハビリテーション医学教室教授、
特定非営利活動法人リハビリテーション医療推進機構CRASEEDを設立し、
現在に至る。
日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医、
日本リハビリテーション医学会監事、日本バイオメカニズム学会評議員、
日本ニューロリハビリテーション学会理事
「『麻痺が残った手足は治らない』と思われていた時代がありました。しかし、今は治す時代です」と日本リハビリテーション界の第一人者、兵庫医科大学の道免和久主任教授は語る。同院の先進的リハビリ治療について話を伺った。
20年で進歩したリハビリ医療
そのきっかけとなったCI療法
VRゴーグルを装着してゲーム感覚で行うリハビリ
左右の手を使い分けながら、
ボールにパンチを繰り出す
 脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、心臓疾患、がん、嚥下障害など多岐にわたり、様々な疾患に対応し、特定機能病院として高度医療の提供・開発を行っている兵庫医科大学病院。現在、患者のQOLの向上を目指し、リハビリテーションを強化した様々な取り組みを行っており、入院患者全体の4割・約300人が日々リハビリに励んでいるという。
 「かつて、二度と回復しないと考えられてきた脳卒中における手足の麻痺ですが、1990年代半ばに、脳卒中等で脳が損傷しても集中的なリハビリを行えば脳機能が再生する、リハビリによる脳の可塑性が証明されました。当院では、症状に合わせた様々なリハビリを行っており、特に脳科学・神経科学の知見を応用したニューロリハビリテーションに注力しております」と語るリハビリテーション科診療部長の道免和久主任教授は、時代とともに変化を遂げるリハビリテーションの可能性に着目し、2002年にアメリカからCI療法(脳卒中による上肢の麻痺側に対する集中的リハビリテーション)を導入するなど、日本におけるリハビリテーションの発展に尽力してきた。
リハビリへの意欲を高め
症状改善を図るCI療法
同院のロボットリハビリの一つ
AIが筋肉の動きを判断し、指の曲げ伸ばしを助けてくれる
 同院では、軽度〜中程度の手の麻痺のある患者に対し、10日間に及ぶCI療法を実施している。まず、患者自身が「回復してできるようになりたいこと」を聞き出し、10〜20個をリスト化し、症状に合わせて医師と作業療法士が選定する。実際のリハビリでは、麻痺が起こっていない方の手をミット等に入れて拘束することで、麻痺のある手を集中的に使い、身体の正しい使い方を思い出させ症状改善を図る。治療を始めて1〜2日目はつらそうにしている患者も、おおむね3〜4日目頃からは難易度の低い課題をクリアできるようになるという。
 「患者さんご自身に、できるようになりたいことを思い描いていただき意欲を高め、設定する課題も、難しすぎず、簡単すぎず、少し頑張ったらできる内容にしています。変化を感じるリハビリ5日目頃から、積極的に取り組むようになる患者さんが多く、この10日間である程度良くなる経験をすると、それ以降も麻痺のある手を積極的に使おうとされます。患者さんにとって、改善のきっかけを与えるとても重要な10日間です」と道免主任教授は強調する。
AIやVRを活用した
最新のロボットリハビリを導入
 様々な症状に対し、ニューロリハビリテーションを実施している同院では、最新のロボットリハビリテーションも提供しているが、中程度以上の患者に対し麻痺手に器具を取り付けて行うロボットリハビリもその一つだ。
 「筋肉は活動していても、うまく動かせない患者さんの動きをAIが検知し、指の曲げ伸ばしを補助することで脳の意図と動きがつながり、動作を繰り返すうちに自分で動かせるようになります。その後、麻痺の程度が軽くなったところでCI療法に移るなど、各段階に合わせて治療方法を変えていきます」と語る道免主任教授は、さらに次のように続ける。
 「当院では、VRゴーグルを取り付けて行う没入型のゲームタイプのリハビリなど、最新技術を積極的に導入しています。今後、AIやVRなどが進化し、応用範囲が広がれば、リハビリ医療はますます発展すると考えています」
後進育成に尽力し
全国のリハビリ医療を強化
 長年、リハビリ医療の発展に尽力し、医師、療法士、病院、産業界などが力を合わせたチーム医療の重要性を説く道免主任教授。2005年には特定非営利活動法人リハビリテーション医療推進機構CRASEEDを立ち上げ、全国の医師・療法士を対象にしたセミナーを実施するなど、後進の育成にも力を入れている。
 専門的知識の普及とレベルアップを図り、同団体設立から20年、現在リハビリテーション科専門医の数は当時の3倍ほどに増加しているという。
 「リハビリで神経機能が回復する時期は限られており、一般的には発症後半年以内といわれています。このチャンスを有効に使うためにも、リハビリの専門知識を持った医師のいる病院でリハビリを受けることがとても大切です。当院では、寝たきり防止や家庭復帰・社会復帰を目指し、半年後、1年後、2年後、3年後にフォローアップとして検査をするなど、将来を見据えて、患者さんをサポートしていますのでご相談ください」と最後に道免主任教授は笑顔で語ってくれた。

 
 
 

※内容は2026年1月28日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 兵庫医科大学病院
TEL 0798-45-6111(代表)
住所 兵庫県西宮市武庫川町1-1
公式Webサイト

 

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兵庫医科大学 医学部 リハビリテーション医学講座 【TEL】0798-45-6881(直通)