「良医の視点」を皆さまの熱いご要望によりweb公開決定!(2017.4月〜現在まで・公開中)週刊新潮にて掲載

はら・もとき
1990年慶應義塾大学医学部卒業。1994年米国コロンビア大学留学。1997年慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科助手。2005年防衛医科大学校循環器科助手。2008年埼玉医科大学国際医療センター心臓内科講師。2011年東広島医療センター循環器科医長


日本不整脈心電学会評議員、中四国アブレーション研究会世話人、ペーシング治療研究会世話人
進化するカテーテルアブレーション!
豊富な経験と治療実績で不整脈を治す
心臓を動かす電気の異常が不整脈 心室細動は1分で生存率10%低下
 「不整脈は、①脈が遅くなる徐脈性不整脈、②速くなる頻脈性不整脈、③脈が飛ぶタイプの期外収縮、の3つに大きく分けられますが、放置してよいものから、突然死にいたるものまで、多くの種類の不整脈があります」と原医師。心臓は心房と心室から成るが、心室で起こる心室細動は突然死を起こす怖い頻脈性不整脈だ。東広島医療センターでは、小野裕二郎医師の元、循環器救急にも力を入れている。「心室細動では、心室がけいれん状態になり、直ちに電気ショックが必要です。1分処置が遅れるごとに10%ずつ救命率が下がると言われています」と、原医師は警鐘を鳴らす。東広島医療センターでは、心室細動から救命された人や、心臓の機能が悪く、心室細動を起こすリスクの高い人には、不整脈を感知して体内で電気ショックを与えるICD(植込み型除細動器)の植込み手術を行っている。
 心房でおこる心房細動は、突然死を起こすことはないが、脳梗塞や心不全の原因となり、やはり治療が不可欠な不整脈だ。誰にでも起こりうる不整脈で、発生頻度は年齢とともに増加し、高血圧、肥満、糖尿病なども危険因子となる。超高齢化社会の現在、増加傾向にあるのが不整脈だ。「心房細動の患者さまの約1/3は無症状であり、突然に脳梗塞を発症して初めて診断がつくケースもあります。早期発見、早期治療が大切です」と原医師。
冷凍カテーテルアブレーションは従来治療より手術時間が著明に短縮
高精度な機器を駆使し治療にあたる原医師、城医師
 心房細動や心房粗動、発作性上室頻脈、心室頻拍など頻脈性不整脈の治療法として、近年、カテーテルアブレーションが注目を集めている。これは、足の付け根の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、不整脈の発生源を高周波電流で焼いて、直す治療法だ。外科的手術ではないので患者への負担が少なく、入院期間も3〜5日と短い。
 東広島医療センターでは、原医師と城日加里医師で行っており、年間220〜250人※の治療実績をもつが、7割以上は心房細動だという。治療機器・技術は急速に進化しており、長く持続する心房細動でも良好な治療成績になってきている。現在、心房細動のアブレーションでは、液体窒素で冷却するクライオバルーンを用いており、「高周波より短時間で済むうえに、治療成績もよく、患者さまの身体的負担も軽減できます。不整脈には、治療すべき不整脈と、放っておいても良い不整脈があります。治療が必要な場合、患者さまの症状や年齢・全身状態を踏まえて、リスクとベネフィットを勘案し、治療方針を立てます。動悸・息切れ・めまいなどの症状が見られたり、健康診断で不整脈を指摘されたら、専門医に治療が必要かどうか判断してもらうことをお勧めします」と原医師は力強く語った。

※2017年1月〜12月

※内容は2018年9月27日時点のものです。詳しくは医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 東広島医療センター
フリガナ ヒガシヒロシマイリョウセンター
TEL 082-423-2176
住所 広島県東広島市西条町寺家513
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診療時間
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