「良医の視点」を皆さまの熱いご要望によりweb公開決定!(2017.4月〜現在まで・公開中)週刊新潮にて掲載

ほしの・まさひろ
1983年日本大学医学部卒業、同整形外科入局。91年日大附属練馬光ヶ丘病院整形外科医長。98年東松山市立病院整形外科部長。2006年苑田第三病院東京脊椎脊髄病センター長就任。日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション専門医
低侵襲脊椎外科手術の先進施設として
脊椎圧迫骨折に対するBKP術で高齢者のADL低下を防ぐ
BKP法のトレーニング病院として術式の普及にも務める
 医療法人社団苑田会の病院として2006年に苑田第三病院を開院し、脊椎脊髄治療に特化した「東京脊椎脊髄病センター」を開設。星野医師はセンター長として、開設以来、脊椎脊髄患者に関する治療を積極的取り組んでいる。
 その中で、整形外科医として若い頃から骨粗鬆症を原因とする骨折の治療をテーマに治療、研究を行ってきた星野センター長が着目したのが、アメリカで開発された、骨粗鬆症を原因とした脊椎圧迫骨折に対する外科的治療法であるBKP(経皮的椎体形成術)だった。
 「BKPは、骨折した脊椎の中にバルーンを入れて膨らませた後、骨セメントで充填する手術法です。背骨の両脇を2ヶ所、5㎜程度切開するだけで、手術時間も30〜40分ほどしかかかりません。術後疼痛がすぐにとれるので、高齢者の場合、痛みによるADL(日常生活動作)低下の予防になります」と星野医師。
 この手術は2011年より保険適用となっているが、脊椎外科の知識を持った医師が特定のトレーニングを修了し、必要な設備の整った施設で実施することが規定されている。苑田第三病院はトレーニング病院に指定されており、その高い技術を学びに全国から医師が研修に集まっている。
背筋強化のリハビリで新たな骨折を予防
 苑田第三病院では、かつて基本的には2泊3日で退院させていたが、現在ではリハビリ期間を含めて1週間程度での退院を指導している。
 「実はBKPのデメリットとして、骨セメントを入れた骨に隣接する骨が骨折してしまう点がありました。そこで当院では、術後のコルセット装着と合わせて、背筋強化のリハビリを行うことで、新たな骨折を予防しています。入院期間中に当院の理学療法士が運動法を教えて、ご自宅でも継続して行えるようにしたことで、術後、およそ2割の割合で発生していた隣接骨の骨折を、当院では10%以下にまで抑えられるようになりました」と星野医師は語る。
特に女性にお勧めしたい“骨密度の貯金”
 脊椎圧迫骨折の治療には、骨折の治療、治癒後のリハビリ、そして骨粗鬆症の予防と、3つの柱があると星野センター長は語る。
 「現在骨粗鬆症は、副甲状腺ホルモンを注射で投与することで症状の改善が期待できます。骨粗鬆症のリスクが高い女性の方たちは、閉経後、1度は骨密度の検査を行い、さらに食生活の見直しや運動で筋力をアップさせることで、将来に向けて骨密度の貯金をするように心がけていただきたいですね」と患者へのアドバイスを語ってくれた。

※内容は2018年10月18日時点のものです。詳しくは医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 苑田第三病院 東京脊椎脊髄病センター
フリガナ ソノダダイサンビョウイン トウキョウセキツイセキズイビョウセンター
TEL 03-5837-5111
住所 東京都足立区伊興本町2-5-10
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