「良医の視点」を皆さまの熱いご要望によりweb公開決定!(2017.4月〜現在まで・公開中)週刊新潮にて掲載

いしだ・かつのり
1991年島根医科大学卒業。93年東海大学大学院。98年茅ヶ崎中央病院。2009年12月より現職。日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医
人工内耳埋込術のエキスパートとして
県外からも多くの患者が来院
人工内耳(インプラントとプロセッサ)で
聞こえる喜びを実現
 1994年に保険適用が認められた人工内耳埋込術。「茅ヶ崎中央病院」は神奈川県内でも数少ない人工内耳手術を行える病院であり、中心となって治療にあたっているのが石田克紀副院長だ。
 人工内耳は、耳の中に埋め込むインプラント部分と耳の外に装着するプロセッサ部分の2つで成り立っており、インプラント部分は耳の後ろからアプローチし、音の受信器官である蝸牛付近に埋め込まれる。
 「当院では2010年より、低侵襲な手術方法として正円窓アプローチ法による手術を行っています。これは正円窓膜を切開して人工内耳の電極を挿入する方法で、蝸牛を削り開窓する手術法と比較すると蝸牛の構造を温存し、残存聴力を損傷しにくい手術方法です」と石田副院長。
 この正円窓アプローチ法で手術を受けられる施設は限定的なため、同院には神奈川県内だけではなく、東京や埼玉など他県からも患者が訪れているという。
一生の付き合いとなる患者とは
信頼関係が不可欠
 術後は、電極をどのように刺激するかの情報(マップ)を決める作業が行われる。石田副院長によると、最初のリハビリ(音入れ)では言葉がテープを早回ししたような音に聞こえる患者が多いという。そこから個々の聞こえに合わせてマップの微調整を繰り返し、さらにリハビリを行うことでようやく言葉が聞き取れるようになるが、その後も定期的に検査を受けて微調整を繰り返す必要がある。
 「人工内耳を入れると、患者さまと医師はまさに一生の付き合いになります。それだけにすべてを託していただけるような厚い信頼関係を築くことを一番に心がけています」と、石田副院長は患者に向き合う際の心構えを語る。
2020年には
聴覚・人工内耳センターの立ち上げも
 2017年に成人の人工内耳に対する適応基準が変わり、重度難聴者に限定されていた適応が、聴力70〜90満の高度難聴者であっても補聴器装用下での言葉の聞き取り検査の結果が最高50%以下なら適応となったり、両耳装用が有用な場合にはこれを否定しないなど人工内耳の適応範囲は広がりをみせており、同院でもさらなる取り組みを計画しているという。
 「人工内耳の手術適応は1歳以上ですが、当院では小児科施設がないため、現在は主に成人症例が手術の対象です。しかし2020年2月の新病棟完成に伴い聴覚・人工内耳センターの立ち上げを予定しており、今後は環境を整えて乳幼児からの対応を検討しています」と、石田副院長は今後の抱負を語ってくれた。

 

※内容は2019年9月11日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 茅ヶ崎中央病院
2020年早春 新病院開設(予定)
フリガナ チガサキチュウオウビョウイン
TEL 0467-86-6530
住所 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎2-2-3
ホームページはこちらから(別ウインドウが開きます)

 

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