「良医の視点」を皆さまの熱いご要望によりweb公開決定!(2017.4月〜現在まで・公開中)週刊新潮にて掲載

 

かなざわ・ようすけ(写真右)
医学博士。1986年、産業医科大学卒業。92年、三菱化成(株)黒崎工場附属病院、産業医科大学病院、珪肺労災病院整形外科部長、蒲田リハビリテーション病院副院長、福岡新水巻病院整形外科主任部長を経て、2018年より現職。
日本整形外科学会認定整形外科専門医


なかやま・だいすけ(写真左)
2013年、防衛医科大学校卒業。15年、自衛隊中央病院、防衛医大病院を経て、22年より現職。
日本整形外科学会認定整形外科専門医

変形性膝関節症に対する外科的アプローチとして、最近再び注目を集めている術式に「骨切り術」がある。今回、低侵襲な人工膝関節置換術や骨切り術に力を入れている東京品川病院の金澤洋介整形外科部長と中山大輔医師に、同院での取り組みについてお話を伺った。
人工関節置換術に加えて
骨切り術を導入
 新幹線が発着する品川駅や羽田空港にも近い大井町駅から徒歩約7分と、交通至便の場所にある「東京品川病院」。整形外科立ち上げに伴い、高度な関節治療を提供するべく、金澤洋介部長と新村辰臣副部長の両名が尽力しその礎を築いてきた。
 最近患者が増加している変形性膝関節症に対し、同院では外科的アプローチとして膝関節の全てを置換する人工膝関節全置換術(TKA)、一部を置換する人工膝関節単顆置換術(UKA)に加え、骨切り術を導入している。
 「UKAは、TKAと比較すると傷口の大きさや術後の疼痛、さらにはリハビリにかかる期間までを含めて圧倒的に患者さま負担が少ない術式です。UKAにおいて当院で採用している、最新の人工関節インプラントの場合、70歳以上に絞った対応実績では15年以上耐久しているものが90%以上という成果も出ています。ただしUKAの場合、靭帯が健全であることなど、手術適応には厳格な基準がありますが、当院ではUKAが適応できない方でも、骨切り術により関節温存が可能になる場合があります」と、金澤医師は同院の治療の特徴を語る。
自身の膝を温存できるのが
骨切り術の最大のメリット
 骨切り術とは、膝関節近くの骨を切開し、切開部に人工骨を挿入して金属のプレートやスクリューで固定することで、O脚やX脚を矯正して膝にかかる荷重を適正化し、膝の痛みなどの症状を改善させる手術法だ。同院で骨切り術を担当しているのが、中山大輔医師だ。「当院では外側の関節の状態が良好である方、もしくは変形が強くても50~60代の患者さまには積極的に骨切り術を適応しています。骨切り術はご自身の膝関節を残せるので、運動や仕事など、手術後に生活上の制限がありません」と、中山医師は骨切り術のメリットを強調する。
 外科的アプローチが必要な変形性膝関節症の場合、軟骨の欠損と半月板の損傷が起きていることがほとんどであるため、同院では骨切り術の際、関節鏡で半月板の処置を行い、軟骨の欠損部分には、欠損面積に応じて、軟骨の修復を促す処置や、骨軟骨柱移植などの処置も行っている。今年度から同院では、骨切り術や人工関節置換術など、より低侵襲な骨切り術の手術実績が増加しているという。
自分のライフスタイルに合った治療法を
選択できる医療機関を選んでほしい
 「骨切り術は、人工関節に置換するまでのタイムセービングとしての治療法から、根治のための治療法として再び注目を集めています。私は、現在人工関節置換術が適応されている症例の中にも、骨切り術を適用することで自身の膝は残せる症例は多いと考えています。患者さまには、多様な治療法を提案してくれて、自分の求める理想に合わせた治療が受けられる医療機関を選択してくださいとアドバイスしたいですね」と、最後に金澤医師と中山医師は、力強く膝の痛みに悩む全ての人にアドバイスを送ってくれた。

 
 
 

※内容は2022年11月24日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 東京品川病院
TEL 03-3764-0511(代表)
住所 東京都品川区東大井6-3-22
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