「良医の視点」を皆さまの熱いご要望によりweb公開決定!(2017.4月〜現在まで・公開中)週刊新潮にて掲載

やまだ・ゆういちろう
2008年、名古屋第一赤十字病院研修。10年、同院整形外科医員。12年、西尾市民病院整形外科医員。15年、同院整形外科医長。16年、羊ヶ丘病院肩・肘・スポーツ部門医員。17年、フランスCHP. Saint-Gr日本整形外科学会認定整形外科専門医3年、本院リハビリセンター増設。肩とひざの整形外科 赤羽根院(中川)開院。25年、肩とひざの整形外科 金山院開院。
日本整形外科学会認定整形外科専門医
2008年、名古屋第一赤十字病院研修。10年、同院整形外科医員。12年、西尾市民病院整形外科医員。15年、同院整形外科医長。16年、羊ヶ丘病院肩・肘・スポーツ部門医員。17年、フランスCHP. Saint-Gr日本整形外科学会認定整形外科専門医3年、本院リハビリセンター増設。肩とひざの整形外科 赤羽根院(中川)開院。25年、肩とひざの整形外科 金山院開院。
日本整形外科学会認定整形外科専門医
名古屋で肩や膝の疾患における専門的な治療を提供している「肩とひざの整形外科」。患者の症状や治療目標に合わせたオーダーメードの医療を実践すべく心血を注ぐ、山田雄一郎医師にその取り組みについて話を伺った。
肩と膝の治療に注力
2025年5月金山院開院
2025年5月金山院開院


患者一人ひとりの症状に合わせ
効果的なリハビリを行う
名古屋市大須に「肩とひざの整形外科」を開院後、「赤羽根院」、名古屋の交通の要所・金山駅すぐに、3院目となる「金山院」を開院させた「肩ひざグループ」。JR線や地下鉄、名鉄線も通り利便性が高く、名古屋のみならず隣県や遠く長野県からも患者が訪れるという。
「肩と膝でお困りの方を幸せにするのが私たちの喜びです」と語る肩と膝関節専門の山田医師は、国民病の変形性膝関節症について次のように続ける。
「厚労省は、自覚症状のある変形性膝関節症患者数は国内に約1000万人と報告しています。日本人は股関節が外側に張り出しているためかO脚傾向の方が多く、体重が膝の内側にかかりやすい傾向があります。加齢で半月板の柔軟性が低下し、過度な内側荷重による機械的刺激も加わり半月板損傷が生じます」骨同士の衝突を防ぐため膝関節の表層は軟骨で包まれ、半月板が軟骨の間に介在し保護している。変形性膝関節症は、加齢と共に進行していくが、その殆どは半月板損傷から始まる。
「正常な場合、関節の軟骨は一日消費された分は回復する機能があると考えられます。半月板損傷によって軟骨を守る機能が失われ、再生が追い付かず軟骨が壊れ、深層の骨が割れ再生が追いつかず壊死し潰れ、更に内側荷重が強くなり破壊が助長。この悪循環が継続されることで変形性関節症は片道切符でどんどん進行していきます」と山田医師は指摘。
「肩と膝でお困りの方を幸せにするのが私たちの喜びです」と語る肩と膝関節専門の山田医師は、国民病の変形性膝関節症について次のように続ける。
「厚労省は、自覚症状のある変形性膝関節症患者数は国内に約1000万人と報告しています。日本人は股関節が外側に張り出しているためかO脚傾向の方が多く、体重が膝の内側にかかりやすい傾向があります。加齢で半月板の柔軟性が低下し、過度な内側荷重による機械的刺激も加わり半月板損傷が生じます」骨同士の衝突を防ぐため膝関節の表層は軟骨で包まれ、半月板が軟骨の間に介在し保護している。変形性膝関節症は、加齢と共に進行していくが、その殆どは半月板損傷から始まる。
「正常な場合、関節の軟骨は一日消費された分は回復する機能があると考えられます。半月板損傷によって軟骨を守る機能が失われ、再生が追い付かず軟骨が壊れ、深層の骨が割れ再生が追いつかず壊死し潰れ、更に内側荷重が強くなり破壊が助長。この悪循環が継続されることで変形性関節症は片道切符でどんどん進行していきます」と山田医師は指摘。
患者の意思を第一に考え
症状に合った治療法を選択
症状に合った治療法を選択

膝の骨形態変化が乏しく、半月板損傷がない初期の場合、手術以外の保存治療が適用される。
「重症度で適する治療法は異なります。初期の場合、リハビリで膝周囲の筋のバランスを整えて過度の内側荷重への移行を防ぎ、注射や内服で関節の炎症を抑えます。内側荷重が軽度で、半月板損傷が生じている場合、約1㎝切開し内視鏡を用いて半月板を修復し機能回復を図ります」と語る山田医師は、重症度が増した場合にもできるだけ膝を温存することを目指しているという。
「長期間内側荷重に晒されると骨が徐々にたわむように変形し、O脚が進行していきます。内側荷重が強くなると半月板を修復しても機械的ダメージが持続し修復した半月板が再度壊れてしまいます。この場合は骨切り術(骨矯正術)を適応します。半月板修復に加え、骨を切り込み矯正してプレート固定することで膝を適正な形態・荷重を取り戻し壊れた軟骨の再生を目指すことができます。骨矯正術で適応の広いOW─HTO(内側開大型高位脛骨術)は慣れた術者の場合、最も大きな傷で約4㎝、40分程度。出血50㎖程度で術翌日から歩行可能です」
ここまでで治療できれば膝が残せるため生活に制限がなく、重労働やスポーツも自由にできるが、更に関節破壊が進行しO脚を矯正しても根治が難しいほど進行した場合は人工膝関節置換術を行うという。
「人工膝関節置換術は、関節の表層の変形により凸凹した部分を10㎜程度切取り、金属やセラミックの被せ物で表層を滑らかにし、間に人工軟骨を移植することで膝の機能を再生させる手術です。その際にO脚も矯正することが可能です。慣れた術者が行えば手術時間は1時間程度、出血は50㎖程度です。全ての手術において術後の痛みゼロを目指して、脳が痛みを認識しないよう全身麻酔や大腿神経ブロック麻酔、脛骨神経ブロック麻酔、関節内麻酔と複数の内服薬を組み合わせ、手術時は麻酔科医と連携し、術後は理学療法士・看護師と連携し最良の手術・術後リハビリ環境の整備に努めています。痛みが少ないとリハビリの進みも良いので、手術後は痛いのが当然、という定説を撲滅したいです」と山田医師。
従来、人工関節は約10年で入れ替えが必要だったが、技術革新により人工軟骨の質が向上し、30年から40年入れ替えが必要ないと考えられている。また、手術翌日から歩行でき、ゴルフや軽い山登り程度までのスポーツは可能である一方、半月板修復術や骨矯正術では可能な重労働や激しいスポーツは制限される。
「理想は手術をしたことを忘れてもらうこと。医療技術の進歩により、高齢者でも麻酔さえかけられれば人工関節手術を行うことも可能です。術後、痛みがなくなれば傷だけが残ります。患者さんが手術したことを忘れられるように、心を込めて丁寧に縫合しています。治療法には適応と限界をはっきりさせることが重要です。骨切り術は自分の関節を温存できる良い方法ですが、破壊され過ぎた関節に行えば破壊の進行を抑えることが難しく、後に人工関節置換術を要する可能性もあるため、初回手術から人工関節置換術を行うべきです。これが限界を超えた治療による問題点です。逆に骨切り術で対応できる関節に対して人工関節を行えば痛みは改善しますが、関節温存できず、重労働や激しいスポーツは制限される。これは不適切な適応による問題点です。一方、手術が怖い、どうしても人工関節をしたくない、という患者さんも多くいらっしゃいます。極論、膝が痛くても命を落とすわけではないので、根治は難しくとも保存治療で徹底的に我慢するお手伝いができるよう、当グループでは理学療法士43名を擁しています。私達は、リハビリ、半月板修復、骨切り術(骨矯正術)、人工関節置換術の全てにおいて適切に治療する準備があり、適応と限界をはっきり意識して治療することで、どの段階の患者さんでも、症状を改善させるお手伝いができます。ただ、変形性膝関節症は進行すればするほど治療は重くなり、治療後の制限が大きくなるため、早く受診して頂き高い目標での治療の実施が理想です。気なる症状がある方は早めに受診していただきたいですね」
「重症度で適する治療法は異なります。初期の場合、リハビリで膝周囲の筋のバランスを整えて過度の内側荷重への移行を防ぎ、注射や内服で関節の炎症を抑えます。内側荷重が軽度で、半月板損傷が生じている場合、約1㎝切開し内視鏡を用いて半月板を修復し機能回復を図ります」と語る山田医師は、重症度が増した場合にもできるだけ膝を温存することを目指しているという。
「長期間内側荷重に晒されると骨が徐々にたわむように変形し、O脚が進行していきます。内側荷重が強くなると半月板を修復しても機械的ダメージが持続し修復した半月板が再度壊れてしまいます。この場合は骨切り術(骨矯正術)を適応します。半月板修復に加え、骨を切り込み矯正してプレート固定することで膝を適正な形態・荷重を取り戻し壊れた軟骨の再生を目指すことができます。骨矯正術で適応の広いOW─HTO(内側開大型高位脛骨術)は慣れた術者の場合、最も大きな傷で約4㎝、40分程度。出血50㎖程度で術翌日から歩行可能です」
ここまでで治療できれば膝が残せるため生活に制限がなく、重労働やスポーツも自由にできるが、更に関節破壊が進行しO脚を矯正しても根治が難しいほど進行した場合は人工膝関節置換術を行うという。
「人工膝関節置換術は、関節の表層の変形により凸凹した部分を10㎜程度切取り、金属やセラミックの被せ物で表層を滑らかにし、間に人工軟骨を移植することで膝の機能を再生させる手術です。その際にO脚も矯正することが可能です。慣れた術者が行えば手術時間は1時間程度、出血は50㎖程度です。全ての手術において術後の痛みゼロを目指して、脳が痛みを認識しないよう全身麻酔や大腿神経ブロック麻酔、脛骨神経ブロック麻酔、関節内麻酔と複数の内服薬を組み合わせ、手術時は麻酔科医と連携し、術後は理学療法士・看護師と連携し最良の手術・術後リハビリ環境の整備に努めています。痛みが少ないとリハビリの進みも良いので、手術後は痛いのが当然、という定説を撲滅したいです」と山田医師。
従来、人工関節は約10年で入れ替えが必要だったが、技術革新により人工軟骨の質が向上し、30年から40年入れ替えが必要ないと考えられている。また、手術翌日から歩行でき、ゴルフや軽い山登り程度までのスポーツは可能である一方、半月板修復術や骨矯正術では可能な重労働や激しいスポーツは制限される。
「理想は手術をしたことを忘れてもらうこと。医療技術の進歩により、高齢者でも麻酔さえかけられれば人工関節手術を行うことも可能です。術後、痛みがなくなれば傷だけが残ります。患者さんが手術したことを忘れられるように、心を込めて丁寧に縫合しています。治療法には適応と限界をはっきりさせることが重要です。骨切り術は自分の関節を温存できる良い方法ですが、破壊され過ぎた関節に行えば破壊の進行を抑えることが難しく、後に人工関節置換術を要する可能性もあるため、初回手術から人工関節置換術を行うべきです。これが限界を超えた治療による問題点です。逆に骨切り術で対応できる関節に対して人工関節を行えば痛みは改善しますが、関節温存できず、重労働や激しいスポーツは制限される。これは不適切な適応による問題点です。一方、手術が怖い、どうしても人工関節をしたくない、という患者さんも多くいらっしゃいます。極論、膝が痛くても命を落とすわけではないので、根治は難しくとも保存治療で徹底的に我慢するお手伝いができるよう、当グループでは理学療法士43名を擁しています。私達は、リハビリ、半月板修復、骨切り術(骨矯正術)、人工関節置換術の全てにおいて適切に治療する準備があり、適応と限界をはっきり意識して治療することで、どの段階の患者さんでも、症状を改善させるお手伝いができます。ただ、変形性膝関節症は進行すればするほど治療は重くなり、治療後の制限が大きくなるため、早く受診して頂き高い目標での治療の実施が理想です。気なる症状がある方は早めに受診していただきたいですね」
※内容は2025年11月6日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください
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| 医療機関情報 | ||
|---|---|---|
| 施設名 | 肩とひざの整形外科 金山院 |
|
| TEL | 052-265-5217 | |
| 住所 | 愛知県名古屋市中区金山1-18-3 スギクリニックモール金山3F | |
| 公式Webサイト↗ | ||
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜12:00/14:00〜20:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 17:00まで | / | / |
【休診日】日、祝
| 医療機関情報 | |
|---|---|
| 施設名 | 肩とひざの整形外科 本院 |
| TEL | 052-253-6550(代表) |
| 住所 | 愛知県名古屋市中区大須4-10-4 カジウラテックスビル1F・6F |
| 公式Webサイト↗ | |
| 医療機関情報 | |
|---|---|
| 施設名 | 肩とひざの整形外科 赤羽根院 |
| TEL | 052-364-6550 |
| 住所 | 愛知県名古屋市中川区中野新町5-39 |
| 公式Webサイト↗ | |

